二度目の離婚をして、息子を養う為に私は働き先を見つけなければなりませんでした。
暫くは別れた彼に対する悪かったと言う気持ちに苛まれましたが前に進んで生活をしなくてはなりません。
そんな時、北海道新聞の求人募集欄で、ある会社が営むススキノのクラブのレジ係募集の記事を目にしました。
お給料の良さも私には魅力的でした。
株式会社が営むのだから、夜のお店でも、きっと、ちゃんとした、お店だと思い履歴書を書いて面接に行きました。
面接場所は会社の札幌支社でした。
緊張してドアを開けて
「面接に来ました」
事務所の中は、いわゆる普通の会社で事務机に事務員さんがいて夜の、お店の雰囲気ではありませんでした。
担当の方が
「ホステス希望ですか?」
と仰いました。
私は
「〇〇店のレジ募集を見て来ました」
私は何故か見た目が派手に見えるんです。
私は派手にしている意識が無くても。
時に、そう見える私は見た目で損をした経験が多々ありました。
例えば黒のスーツを着ていても派手に見えます。
だからホステス募集に間違えられても仕方ないのです。
私は事務と秘書の経験が長く、レジなら私の事務的な経験が生かせると思い応募しました。
後に、初めて面接で入った支社のオフィスが私の働く場所になるなんて面接の時には想像もしていませんでした。
面接をして下さった方からは後から連絡をしますと言われて私は面接を終えて自宅に戻りました。
自宅に着くなり自宅の電話が鳴りました。
面接した会社から社長が会いたいのでススキノの喫茶店に来る様にとの内容でした。
私は帰宅して直ぐにススキノの指定された喫茶店に向かいました。
そこにはスーツをピシッと来た方が2名、座っていました。
再度、社長みずからの面接が始まりました。
結果は合格でした。
私は
「宜しくお願いします」
と頭を下げてご挨拶を済ませました。
系列のクラブで一週間、レジの見習いをしてから私の働くクラブに入りました。
その会社はバブルの時代でもあり、札幌に飲食店を多数経営していた他、不動産も所有していて札幌以外にはホテルも経営していました。
本社は東京の銀座にありました。
新しく勤めるクラブでは
ホールのボーイさんやチーフは良い方で大切にして下さいましたし、お仕事は伝票と金銭管理ですから私の経験が役に経ちましたが、私の考えの甘さを思い知らされる事が数日後に起きました。
−話は続きます−