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85点。「斬られ役」という生き様。

時代が衰退していっても、貫かれた生き様は、華の散り様までも、美しい。
ラストシーンのもの悲しくも美しい様は圧巻。

時代劇の終わり(終わった訳ではないが)に、むしろ相応しい映画。

【作品解説】
古都 京都・太秦。
日本の心を世界に伝える数々の名作を生んだ「東洋のハリウッド」。
大スターたちが華麗な刀さばきを披露するチャンバラ時代劇は、長く国民的人気を誇ってきた。
そんな華やかなスターの陰には、主役に斬られるための俳優たち「斬られ役」が存在する。
「ライムライト」を浴びることなく、斬られていく男たち。時代劇全盛期には、その数100名以上――。
今は、十数名。時代劇の製作が激減した今も、映画に生き、映画に死に場所を求める男たち。
日本一の斬られ役「5万回斬られた男」福本清三。
日本映画を、陰で支え続けて55年。今回、満を持して、映画初主演。
脇を固めるのは、太秦ゆかりのスターたち――。
松方弘樹、小林稔侍、本田博太郎、萬田久子、合田雅吏、栗塚旭。
ヒロインには、山本千尋。世界ジュニア武術選手権大会優勝者の彼女が、見事な立ち回りを披露。
もちろん、日本一の殺陣師集団・東映剣会、京都の次代を担う若手俳優たちも総出演。
太秦を愛するスタッフと役者たちが、時代劇の現在をめぐる人間ドラマを哀切たっぷりに、
京都・太秦でしか描けない、日本人の心のドラマがここに完成した。
(Amaz〇nより)

【ストーリー】
かつて「日本のハリウッド」と呼ばれた京都・太秦。
太秦の日映撮影所に所属する香美山は、斬られ役一筋のベテラン大部屋俳優だが、
時代劇の減少に伴い出番が減ってきていた。
そんなある日、長年続いたテレビ時代劇「江戸桜風雲録」まで打ち切られる。
主演の尾上は香美山に「また斬らせてくれ」と、言い残して太秦を去る。
斬られ役としての出番を完全に失った香美山は、映画パークのチャンバラショーに出演することになった。
映像作品での出番がない日々を送る中、香美山は新人女優のさつきと出会う。
どんな状況でも稽古を怠らないその姿に惹かれたさつきは香美山に殺陣の指導を請い、
二人はいつしか師弟関係となる。やがてさつきは時代劇での殺陣をきっかけに、
東京で活躍しスター女優となる。
時が経ち、「江戸桜風雲録」の劇場版の制作が決定。さつきは尾上と共に主演に抜擢される。
久々の太秦での撮影を喜ぶさつきだったが、香美山は体調を崩して引退しており、
いつの間にか大切なものを失っていたことに気づく。さつきは香美山の故郷を訪れ、
頑なに復帰を拒否する彼に稽古を申し込み、映画への出演を懇願する。
1か月後、香美山は撮影所にいた。尾上との約束を果たすために。
そして、最愛の弟子さつきに斬られるために……。
(Amaz〇nより)