90点。民俗学ミステリー。

 

《異端の民俗学者》蓮丈那智。彼女の研究室に一通の調査依頼が届いた。ある寒村で死者が

相次いでいるという。それも禍々しい笑いを浮かべた木造りの「面」を、村人が手に入れて

から――。暗き伝承は時を超えて甦り、封じられた怨念は新たな供物を求めて浮遊する……。

那智の端正な顔立ちが妖しさを増す時、怪事件の全貌が明らかになる。

(Amaz○nより)

 

「ミステリー民俗学者八雲樹」というコミックスがあるが、これも民俗学ミステリーと呼べる
ものかと思うが、あくまでも両者は乖離している。この漫画は、ミステリー単体を切り離しても、
話は成り立っている。
 
それに比べて、この蓮丈那智シリーズは、見事に両者が柔和している。
民俗学書でもあり、ミステリーでもあるのだ。
 
門外漢であるから確かなことは言えないが、
民俗学の見地から読んでも、十分専門的な出来上がりになっているのではないか?
相当量勉強しないと、もしくは精通していないと、これほど専門的な小説は書けないだろう。