95点。対外に発信する価値のある思想・文化。

 

納棺師─それは、悲しいはずのお別れを、やさしい愛情で満たしてくれるひと。

(Amaz〇nより)

 

死者に対する「鎮魂」ではなく「葬送」という姿勢。弔うということ、尊ぶということ。
こういった価値観・死生観を知っておいてもいい。
本気で議論するには、あまりに宗教に深く関わる内容なので精通していない人間が
語るのは憚られる。

 

 

――ということで、ここからは演出について。
 
実家の床に幾つも残っているエンドピンの凹み(←個人的には一番のツボ)。
 
「触らないで、汚らわしい!」から、「夫は納棺師です。」への変化。
 
「石文」という独特の表現技法。「石文」の繋がり。自然に溢れる涙。
 
そして、ラストシーン窓の外の明かり。
 
ストーリー展開は手に取るように分かってしまうのだが、
これが作品の評価を下げるようなことは決してない。

 

最後に出てくる葬儀屋の粗悪な行動(いくらなんでも誇張し過ぎだろうが)に怒りを
感じてしまった。
この辺では既に、監督にすっかり洗脳されしまっていました。
 
ラストは無伴奏チェロの独奏シーンにして欲しかった…なんてね。
数々の賞を総なめにしている作品なだけに、ぼろくそに非難してやりたかったのですが、
悔しいことに高評価です。