100点。助演女優賞、助演男優賞獲得。故人の獲得は2人目。

 

ゴッサム・シティーに、究極の悪が舞い降りた。
ジョーカーと名乗り、犯罪こそが最高のジョークだと不敵に笑うその男は、

今日も銀行強盗の一味に紛れ込み、彼らを皆殺しにして、大金を奪った。

この街を守るのは、バットマン。彼はジム・ゴードン警部補と協力して、

マフィアのマネー・ロンダリング銀行の摘発に成功する。
それでも、日に日に悪にまみれていく街に、一人の救世主が現れる。
新任の地方検事ハービー・デントだ。正義感に溢れるデントはバットマンを支持し、

徹底的な犯罪撲滅を誓う。

遂に始まった、ジョーカーが仕掛ける生き残りゲーム。
開幕の合図は、警視総監の暗殺だ。正体を明かさなければ市民を殺すとバットマンを

脅迫し、デントと検事補レイチェルを次のターゲットに選ぶジョーカー。

しかし、それは彼が用意した悪のフルコースの、ほんの始まりに過ぎなかった。

(Amaz〇nより)

 

まず初めに、これは「バッドマン」ではない
 
「アメコミの実写化」でもない
これらのキーワードで頭から敬遠するのはあまりに勿体ない。

ジョーカーはバッドマンの存在意義自体を否定することで、彼を追い詰める。
人はいとも簡単に悪を迎合する、悪の世界に引きずり降ろされる。
それでも彼は決して屈しない。彼には揺るぎない信念があるからだ。
 
――「正義」。しかしそれは、悪を殺すことが出来ない。
それを禁忌とする絶対順守の「掟」を課しているからだ。

しかし、「光の騎士」の存在を見出したとき、彼は自身が「闇の騎士」となることを決意する。
たとえ人から疎まれる存在になろうとも、人に害を与えようとも、己の正義を貫く。
しかし、それは、もはや妄執。独りよがりの正義ではないか?

 

 

私はそんな開き直りで、イラク戦争を肯定させやしない。
「正義」とは、「悪」の対義語ではない。
偏った主張が人を傷つけるなら、それもまた「悪」なのだ。

例えば、日本が核を所持することを、私は許さない。
米軍駐留もまた然り。武力的対抗手段がなくなって、侵略により国民が死に絶えようともだ。
それが憲法の主張する「平和主義」であるべきなのだ。
 
もちろん、この「正義」もまた、独りよがりな妄執である。
人が傷つくことを良しとする「悪意」に満ちている。

「正義」とは何なのか?
「善」とは何なのか?