11月24日。




アラニの記念日。




国・県・市・地域ごとに記念日があり、お祭りをする。




アラニでは、21日の日曜から様々な催しが行われた。




21日:パン祭り・魚祭り




朝から彼は「腹減った」を連呼していた。




同僚「じゃ飯食い行くか」




彼「よっしゃ」




アラニでは魚は取れないが隣のバカスという町から魚が届けられている。




魚が食べたくてしょうがない彼。




彼「魚食べようぜ」




同僚「あぁ、そうだな」




ほほ~さすがボリビア人。たった今「魚食おう」って言ったのに、魚売ってない店に入る同僚。




まだ、魚食いたくてしょうがない彼。




彼「俺、他のところ行ってくるわ。魚食べたいし」




同僚「待て待て。ジュース奢るから。ここで食おうや」




ほほ~さすが意志の弱い彼。1週間前から魚を食べると決めていたのに、「ジュース奢る」の一言で魚がどうでもよくなってしまった彼。





次はパン。




アラニはパンが有名。




勝手に「パンの中心地」なんて言ってる。




でも確かに、いつも旅行客や外部の人達は、袋いっぱいにパンを買って帰る。




「ほほ~そんなにうまいのか」と言われれば「そうでもない」。




「パンの中心地」なんて言ってるくせに、2種類のパンしかない。




1つ目。




普通のパン。




形は丸で1cmほどの厚さで大きさは手が2つ分ぐらい。値段は10円ちょっと。




2つ目。




形は扇形で片掌より少し大きく、中にチーズか少しピリ辛のが入っている。値段は30円弱。




しかし、お祭りのときにだけ登場するバカでかいパンがある。他の街で持って歩いていたら、皆が振り返るほど。




顔4つ分ぐらいの大きさ。ただそれだけ。特に味なし。




しかし、バカ売れ。




彼「あれいくら?」




同僚「15ボリ~20ボリ(200円~300円程度)じゃない?」




彼「高っ!」




1つ目に紹介したパンが1ボリで、その4~5倍の大きさだから「5ボリが妥当」




彼「パン屋さん今日は大もうけだね」




同僚「俺、今日だけパン屋になりてぇ」




彼「じゃ、アシスタントとして雇って。儲かったお金は半分こね」などと儲かっているパン屋さんを羨む二人がいた。




その後、知り合いのパン屋さんを見つけた彼。




彼「(でかいパンを家族にお土産として買って行こう)パンひとつくださいな。で、いくら?」




パン屋さん「15ボリ」




20ボリ札を出す彼。




しかし、帰ってきたのは10ボリ。




彼「(あれ?おばちゃんボケちゃったのかな)これ15ボリでしょ。お釣り違うよ。5ボリのお釣りじゃ?」




パン屋さん「あぁ、おまけおまけ。そして、これもおまけ」




5ボリまけてくれて、しかも別の種類のパン2つもつけてくれた。




感覚的には500円のたこ焼きを350円に負けてもらい、フライドポテトもつけてくれたような感じ、か?




彼「(いや~持つべきものは友達だな♪)」






日曜日のこの日。ただ遊びに来ていたわけじゃない彼。




この日は、各魚のお店・パン屋さんがそれぞれ、自分とこの魚料理(魚のフライだけども)とパンを出して順番を決めるという、品評会が行われた。




そのために駆り出された彼。




しかし、ここはボリビア。




「何時までに」なんて決まっていない。




だから、1番最初に来たのは1時過ぎ。




最後に来たのは4時過ぎ。




彼「(こんなに時間差があったら、最初の人ふりじゃん)」




っていうことで、まだ品評会が始まる前から、つまみ食いする彼。




彼「(うお~揚げたての魚のフライうめぇ~)」




そんなことをしていた罰だろうか。




品評会に招かれたのは、彼のような下っ端の人間じゃなく、きちんと正装したどこかのお偉いさん方。




彼はその間、椅子に座ってその様子を見守る。




しかし、その時。




バコーン。




激しい音と共に頭に痛みを感じる。




椅子から落ちる彼。




頭を抱える彼。




もがく彼。




動けない彼。




その直後分かった。




品評会の会場は市役所の会議室。




そこには、アラニの街並みが描かれている絵がある。




2m×2m程のでかい絵である。




彼は、その真下に座っていた。




アラニは風が強い。




その風のせいで、でかい絵がぐらつき落ちたのだろう。




今までマンガの世界でしか見たことがなかったことが、突如として自分の身に降りかかった。




彼「(血が出ているんじゃないか。このまま気絶するんではないか)」などと考えていたものの、もがきながら特に問題はないということが分かってきた。




しかし、激しく倒れたため、大勢の人が彼のそばに駆け寄っていた。




彼「(このまま普通に立ち上がるのはなぁ。)」




ということでいかにも激しく痛そうな様子で立ち上がる彼。




最後手をかしてくれたのは、市長。




市長「カズキ、大丈夫か」




彼「いや、大丈夫じゃないです。1ヶ月休みがほしいです」




市長「仕方ない。今日の午後は休んでいいぞ」




彼「えぇ、もう5時ですよ。休みくださいよ」




市長「ははは」




と、頭の痛みも笑い話となった。




しかし、その後笑い話にならない恐怖が彼を襲うことを、その時彼はまだ知らない。




続く。。。