全ての暗いダークサイドの反対側には、明るい光があります。
逆に言うと、光がないところには影は絶対に存在しません。
しかし、多くの人は自分の中の光の部分しか見えていません。
というか、光しか見ようとしないのです。
だから本当に自分が望んでいる目標も見えないし、望む現実が手に入らないのです。
人の嫌な部分を見て嫌だなと感じるのは、そのダークサイドに自分自身が“共感”できるからです。
自分自身に、弱点や欠点や汚い部分があるからこそ、他人のダークサイドや深層心理がわかるのです。
そういうものが多ければ多いほど、より多くの人に同情する事ができるのです。
「コア(核)」とか「人生の目標」が見つかると言っても、ピンと来ないかもしれませんが、これが分かることで、
・自分が何をやりたいのか?
・自分に合った仕事はなんなのか?
・自分の使命はなんなのか?
・何に対して強い情熱を持って取り組む事ができるのか?
こういう事が見えてくるようになります。
ダークサイドを見つけるためのアプローチは、主に4つありますので、
やってみて下さい。
1つ目のアプローチは、
1.『感情』
自分の感情が負の方向に大きく揺れ動くところにダークサイドを見つけることができます。
我を忘れて感情的になってしまう瞬間や出来事を思い出してみてください。
自分の意思とは無関係に、感情をコントロールできなかったような場面が あるはずです。
・恋人や夫と喧嘩する時の感情を思いだしてください。
・仕事で同僚や上司とぶつかり合った時の感情を思いだしてください。
・友達と喧嘩になった時の感情を思いだしてください。
自分は一体、何に対してコントロールできないほどの怒りや哀しみを感じるのか?・・・を、真剣に考えてみてください。
2.『恐怖』
今現在あなたが恐れを抱いているもの、凄く怖いと思っているものは何でしょうか?
理由はわからないけど、漠然としているのだけど、それを考えただけで恐ろしくなるもの。
・自分は早死にしてしまうのではないだろうか・・・
・将来ホームレスになってしまうのではないだろうか・・・
・このまま一生結婚できないのではないだろうか・・・
・大切な仲間や家族が突然いなくなってしまわないだろうか・・・
・リストラされないだろうか・・・
・浮気されていないだろうか・・・
このような、普段から、なんとなく抱いている恐怖や不安の中にも、ダークサイドを見つける事ができます。
3.『欲望』
とても強い欲望、コントロールできないほどに強い欲望が働いてしまう事。たとえば、
・車や高級ブランド品など、一度欲しいと思うと借金をしてまで手に入れようとしてしまうとか、
・人が大事にしている物や恋人を見るとどうしても奪いたくなるとか、
・性的衝動や行為をどうしても抑えられない
など。
欲望の種類は人それぞれですが、誰でもこのような強い欲望を一つくらいは持っているものです。
このような所にもダークサイドを見つける事ができます。
4.『嫌いな人』
あなたの身近にいる人の中で、“嫌いな人”を3名ほど挙げてみてください。
嫌いな人くらいいると思います。
挙げたら、その人のどんなところが嫌いなのか考えて、それを紙に書き出してみてください。
すべてが嫌い、とかではなくても、「あの人のこういうところが嫌い」という事でもOKです。
・「あの人の“時間にルーズなところ”が嫌い」
・「あの人の“自己中心的なところ”が嫌い」
・「あの人の“連絡の悪さ”が嫌い」
・「あの人の“嘘をつく癖”が嫌い」
・「あの人の“短気なところ”が嫌い」考えれば色々出てくると思います。
ここでは何が言いたいのかというと、今あなたが挙げた
嫌いな人の嫌いな部分が、実はあなた自身のダークサイドである可能性が高い
ということです。
たとえば、「あの人の“嘘をつく癖”が嫌いだ」とあなたが思っていたとします。
しかしそれは、他人の“嘘をつく癖”が見えてしまう、認識できてしまうということでもあるわけです。
あなたの中にもそれと似たような文化がプログラミングされているということであり、
それはダークサイドの存在を示唆しています。
そもそも、“嘘をつく癖”といった文化、ダークサイドを持たない人にとっては、それすら気になりません。
認識領域に入ってこないのです。あるいは、理解できません。
「どうしてそんな嘘を言うのだろう?」・・・理解ができないので、怒りとかそういうレベルの領域にまでは行かないのです。
以上、4つの視点で、自分自身のダークサイドを見つけていってください。
そして、ダークサイドの反対側に在る“光”の部分も同時に見つけていきましょう。
知人の男性のエピソードを聞けば、より理解が深まると思います。
彼は 5 年間付き合った彼女と結婚することを考えていました。
しかし彼の収入は少なく、それを叶えるための必要なお金がありませんでした。
そこで、100 万円貯金することを目標とし、本業とは掛け持ちでアルバイトをすることに決めたのです。
彼が人一倍頑張り屋なのは自他共に認めるところでしたので、アルバイトでの収入を全て貯金にまわせば、目標はすぐに達成されるものと思われました。
しかし、どんなに頑張ってアルバイトをしても貯金は増えませんでした。
なぜなら、彼は浪費家だったからです。
「バイトの先輩から飲み会に誘われた。これは仕方がない・・・」
「大切な友人から旅行に誘われた。これは仕方がない・・・」
「車が壊れてしまった。修理代を払うのは仕方がない・・・」
こんな風に、仕方がない、不可抗力だと、その都度自分に言い訳をしながら、いつの間にか、これまで以上の出費をするようになってしまったのです。
お金というのは稼いだら稼いだ分、出ていく機会も不思議と増えるものです。
でも彼は、自分は人一倍頑張り屋だから、だから本気で働けばお金なんてすぐに貯まるだろう、と。そう信じて疑いませんでした。
彼のように、自分にとって都合の良い面、気持の良い部分だけに焦点を当てていても、目標や望みを達成することは、難しいということです。
結局は何も変わらないのです。彼が最初にすべきだったのは、
『人一倍頑張り屋である』
という自分自身のプラスに焦点を当てる事ではなく、
『収入が増えたら増えた分だけ浪費してしまう』
という、自分自身のダークサイドに気付き、それを直視することでした。
目標の達成を邪魔するダークサイドの存在に気付き、直視し、ちゃんと向き合って、それを良い方向へ活かすことができていたら、彼の目標は容易に達成されていたはずです。
ダークサイドに気付いていない状態で何かを変えようとしても、本当に変わらなければいけない部分、本質的な部分は何も変わりません。
「ダークサイドを直視し、認め、受け入れるということは、真に変えるべき部分やこれまで気づけなかった“光”の部分に気付く事ができる。」
こういう話をしてきましたが、しかしそれは同時に
自分との戦い
でもあります。というのも、自分のダークサイドを発見し、それを直視すればするほど、ネガティブに陥ってしまうというリスクをはらんでいるからです。
ダークサイドを見つめる時間が増えれば増えるほど、これまで自分でも気付いていなかったような自分の弱点や、嫌な部分が強調されて見えてきます。
このチャレンジを乗り越えるには、常にダークサイドのポジティブな面を見る癖をつける必要があります。
本当の自分を受け入れて、そしてどこに行きたいのかが見えた瞬間に本当に望んでいる“道”が見えます。
「今自分はこの場所にいる。でもあの場所に向かうことができる。」
ダークサイドを生かすか殺すかはすべてあなた次第です。