年をとってからもなお、若いころ、現役時代と同じものの考え方をしていると、

結果として、自分を苦しめることにしかならないというお話の第2弾です。

 

 

 

いつまでも「子ども扱い」をする日本

 

 

次にマインドリセットを実行したほうがいいのは「子ども」です。

 

 

ニュースでもよく報道されていることですが、

歳をとった親と無職の働き盛りの子供が一緒に暮らしていることがあります。

 

子どもが親の世話をするという一面だけを見れば、親孝行で微笑ましいものともとれます。

 

 

しかし、そうではなく、何かおかしいと感じている人は多いと思います。

 

わが子がいくつになっても、いつまでも「子ども扱い」をするところです。

 

 

高齢の親と引きこもりの子どもからなる世帯のことを指して、「8050問題」という言い方があるそうです。

 

親が80歳になっても、

なお50歳の引きこもりの子どもの面倒を見ないといけないという状況です。

 

これは悲劇としか言いようがありません。

 

引きこもりでなかったとしても、一生独身の人がたくさんいます。

 

 

たとえば50歳になった時点で一度も結婚したことがない人の割合を「生涯未婚率」といいますが、

男性の生涯未婚率はなんと28.3%(2020年データ)。

 

じつに3割が一生独身です。

 

 

独身の理由は人それぞれですからそこに触れるつもりはありません。

 

自活していればいいのですが、問題は実家暮らしで、仕事もやめてしまうなどして、

親がいつまでも面倒を見続ける状況になっている家庭も多いという現実です。

 

 

 

親子関係が「密すぎる」不幸

 

 

そうなると親は、「自分が死んだあとも子どもが困らないようにしてあげたい」

という心理が働き、「子どもにお金を残したい」となる人が多いのです。

 

 

高齢になればなるほど、

じつは「お金を使っている人」のほうが幸せになれる面があるのに、

子どもにお金を残そうとして、

自分のためにお金を使えなくなる高齢者が想像以上に多いのです。

 

 

それとは逆に、

「いままでこれだけしてやったのだから、子どもに介護してもらいたい」と、

すっかり子どもに頼り切ってしまう高齢者もいます。

 

親子の関係が密であるがゆえに、子どもの側も親の介護を引き受けてしまいます。

 

 

とくに親を引き取り、在宅介護をすることにした子ども世代の中には、そのために仕事をやめてしまう人が大勢います。

 

現役世代は生活費や自分自身の老後のための蓄えが必要なはずなのに、

親の介護を優先せざるをえなくなった結果、子ども世代が退職に追い込まれてしまうのです。

 

 

 

「子離れ」をしよう

 

 

子どもはいくつになっても可愛いのですが、

 

「一生面倒を見なければいけない」

「財産を残さなければいけない」、と思ったり、

 

あるいは逆に、

「老後は子どもに面倒を見てもらうべきだ」

「そのために、子どもには嫌われないようにしないと……」

 

といった思考をマインドリセットできないままでいると

自分の人生を子どもに隷属させることとなってしまいます。

 

その結果として、親も子も不幸な結末になってしまうことが起こりえます。

 

 

後悔のない人生を送るためにも、よい意味で「子離れ」をして、

親は自分自身の幸せを考えて行動することが大事になってきます。

 

 

子どもに関してはもう少しドライに、「子どもは子ども、自分は自分」と割り切ること。

これが、これからの時代において一層大切になってきます。

 

そして、第一弾で書いたように、自分のお金は自分の幸せのために使ってください。

 

 

 

 

社会インフラ

 

 

子どもが定職につけないとか、うつ病になってしまうことがあったとしても、

本来であれば、社会福祉によって面倒を見てもらうことが原則です。

 

 

長年、納税者として税金を納め、社会の側もセーフティネットを整えているわけですから、

何でもかんでも親が背負おうとしなくていいのです。

 

 

それが結果的に、子どもを自立に導くことになります。

 

また、将来的に、子どもに老老介護をさせて“親子共倒れ”になるリスクを減らすことにもつながるのです。

 

様々な親子関係があるでしょうが、

親も子も、お互いに犠牲になる生き方は避けたいものです。

 

子どもの将来を思うなら、マインドリセットをしてお互いが幸せに生きることを考えましょう。