「やっておけばよかった」という後悔
人間、死ぬ間際に残るのは「思い出」しかないのです。
人生100年時代と言われる時代になりましたが、高齢者と言われる域に入った人たちは今どのような気持ちでしょうか。
精神科医の方の書籍から、なるほどと思うことがいくつもありました。
私も日ごろ感じていることでもあるので、3回に分けて書いてみます。
よく耳にするのが、死ぬときに後悔するということです。
「もっとおいしいものを食べておけばよかった」
「世界一周旅行に行っておけばよかった」
「退職金で、欲しかったポルシェを買っておけばよかった」
……やりたいことがあるなら、全部やっておくべきです。
「お金は使うもの、使ってこそ幸せになれるものだ」と
自分の今までのマインドをリセットしてみてください。
年をとって幸せになるには、
そして、充実した毎日を手にするためには、
これまでの「考え方」を切り替えていくことが重要です。
これを「マインドリセット」と呼びます。
年をとってからも、若い頃や現役時代と同じものの考え方をしていると、
結果として、自分を苦しめることにしかならないからです。
まず、最もマインドリセットが必要なのは「お金」です。
たとえば、ヨボヨボになる、歩けなくなる、寝たきりになる、認知症がひどくなる……
といったことが当然のごとく起こってきます。
そうなったら、意外でしょうが人間は想像以上にお金を使えなくなるのです。
自活するのが徐々に難しくなって、特別養護老人ホームや介護つきの有料老人ホームなどに入ることになったとしても、
一般的には介護保険が利用できるので、毎月の費用はおおよそ年金の範囲内に収まるもののようです。
そのとき、
「無理して蓄えなんかしなくてよかった」
「もっと人生を楽しめばよかった」
「損した」という心情になる高齢者がたくさんいるそうです。
だからこそ、マインドリセットをして、
お金は有意義に使えるときに使ったほうがいい、
心が満たされるような使い方をどんどんしたほうがいい、
ということをこのドクターは提案されています。
高齢者がお金を使うことで世の中がよくなる
お金はそもそも、「持っている」ことより「使う」ことのほうに価値があるものです。
お金を持っている人が偉いかのように勘違いする人がいますが、
資本主義社会においては「お客様は神様」なわけです。
つまり、「上手にお金を使う人ほど偉い」というのが正解です。
このようにマインドリセットをすれば、世の中の高齢者みんながお金を使うようになるでしょう。
そして、個人金融資産の大半を持っている高齢者たちがお金を自分のためにしっかり使うようになったら、
消費が活性化していっぺんに景気もよくなるでしょう。
さらに、日本の高齢者がどんどんお金を使うようになることで、
企業はお年寄り向けの車を開発したり、
パソコンを開発したり、住宅設備を開発するようになります。
消費者のニーズに応えようとする企業の営利活動が当然活発になります。
それにより、高齢社会に適合したサービスや商品が一気に増えることでしょう。