【家では重荷を下ろしたい】

最近は「日本人の生活は、こんなにも貧しくなった!」と言う、気の重い記事をよく目にします。

確かにGDPを20年前と比べてみると、アメリカは4倍、中国は3倍など、大きく増えていますが、日本は変わらず。ところが税金や社会保障費など、収入から差し引かれる金額は逆に増えていて、実質の賃金は、なんと10%のマイナス!

生活の実感は、苦しくなって当然ですよね・・・。

 

一方で、どこの職場も人が足りていないので、正社員であろうとなかろうと、仕事はいつも山ほどあり、毎日大忙し。そのせいで、雰囲気もギスギスしがちです。

だからせめて家庭では重荷を下ろして、武装解除したいもの。

その気持ちは夫も妻も、基本的には同じです。

だから家でははなるべく波風立てず、当たり前のことは当たり前に運ぶよう、双方とも無意識に努めているはずですが、なぜかなかなかそうはいきません。

困ってしまうのは、「夫の当たり前」と、「妻の当たり前」が違っていることです。

 

【夫にとっての当たり前とは?】

例えば夫にとっての「当たり前」ですが、

 

・妻が専業主婦であろうと共稼ぎであろうと、女性ならば家事や育児のスキルは自分よりもずっと上であるはず。

 

・だから自分が手を出すことはあっても、家で具体的にあれこれ指示を出すのは、妻だよね。

 

ということを、無意識の前提にしている夫が、いまだに大勢を占めています。

 

さらに妻が専業主婦であれば、小さい子どもがいても、家はいつもきれいで当たり前、さらに自分の身の回りの世話や身内との付き合いまで期待している夫は少なくありません。

 

また共稼ぎで、夫と妻の収入が殆どいっしょ、あるいは同じようなポジションに双方で昇進していても、なぜか男性である自分の方が、優先されると思っています。だから子どもが熱を出した、あるいは学校で何か問題を起こして、保護者が呼び出された、なんていう非常の場合には、当然のように妻の方にシワ寄せが行くものと信じて疑いません。(← うちの夫がこれでした(怒り))

 

【妻にとっての当たり前】

一方妻にとっての当たり前ですが、夫に対して

 

・家事・育児をいつも指示待ちって、どういうこと?夫婦であれば、夫も自発的にやるのが当たり前なのでは?

 

・共稼ぎなのに、私の負担がこんなに重くて、夫の方は少ない。この事実に夫は申し訳ないと思い、差を縮める努力をするべき。

 

これは共稼ぎであれば当然の呟きですが、専業主婦の場合でも、

 

・夫は子供じゃないんだから、自分のことは自分でやって欲しい。

 

・専業主婦だから家事は妻に期待されるのは仕方ないとしても、私たち2人の子なんだから、育児は2人でやるのが当たり前では?

 

と、これまた至極ごもっともな意見を、夫に言いたくてうずうずしています。

 

【結局夫婦は食い違う】

結局今の日本では、夫と妻の前提が全く食い違っているということです。

 

しかし表立って議論した場合、どう考えても妻側に分がありそうだと思うのは、私が女性だからでしょうか?

「要するに、日本の夫は自覚が無くて甘えている」と、一言で片づけてしまえそうですが、よく考えると私たち妻側にも、ある程度の原因はありそうです。

 

聖徳太子の時代から、日本人は「和を以て貴しとなす」という精神を大事に引き継いできたせいか、どうも自分の言い分を通したり、相手を説得したりすることが苦手な傾向があります。

特に女性は相手の気持ちを汲みつつ、コミュニケーションをとることが多いため、優しい気持ちも手伝って、できることならば、波風を立てずに相手に合わせようとしがちです。

これがご近所付き合いのような、差しさわりのない間柄なら、ほとんど問題はないのですが、生活を共にする相手だと、日常的に自分の方が折れることになる訳ですから、段々とストレスが溜まっていきます。

 

【一緒に暮らすなら、ハッキリ告げること】

まぁ男女を問わず、最初から素のままで付き合う人はまずいませんから、始めはネコをかぶっていたり、「〇〇も得意です。」などと「盛って」話してしまうことは、誰でも良くあることです。

それがきっかけで、本当に「得意です。」と言ったものが好きになれば良いのですが、そうでなければ、少しずつ本音をもらすとか、どこかでキャラを変更するなどしないと、自分で自分の首を絞めることになってしまいます。

 

特に新婚などラブラブの時には、あれもこれも、妻である自分がやってあげたい気持ちはわかりますが、それが習い性になってしまうと、夫の方は「やってもらうのが、当たり前。」になってしまいます。どんな人でも、ラクなことにはすぐ慣れてしまいますが、一方妻にしてみれば段々仕事が増えて責任が重くなったり、子どもに手がかかるようになってしまったら、それこそ手が回りません。

そんな時に、「夫は何をしているかな?」と思って見ると、ゲームに夢中。あるいはテレビをぼーっと見る、居眠りをしている、なんていう光景が目に入ってしまったら、到底許せませんよね?それこそフツフツと、殺意が湧いてしまうかもしれません。

 

【もう良い子は止めましょう!】

日本人は(特に女性は)マジメなので、「言った以上は、続けなければ!」とか、「相手の期待に応えなければ!!」などと、つい考えてしまいますが、良い子でいるのは、もういい加減止めましょう。

相手に合わせていても、その時は波風立たずに済むかもしれませんが、長い目で見れば、良いことではありません。

「もう手遅れだわ。」なんて諦めずに、「やっていられない!」と感じたら、夫に対して、はっきり、あるいはさりげなく、ちゃんと伝えることです。

 

・(今までつい手を出してしまったかもしれないけれど)自分のことは自分でやって欲しい。

 

・家事はたくさんあるから大変なのであって、女性でなくてはできないスキルなどは、必要ないこと。だから今夫ができなくても、繰り返してやっていけば、誰でも上達する。

 

・子どものことも含めて、夫は何をどこまでちゃんと担当できるのか、リストアップすること。

 

まだまだあるでしょうが、どれもこれも、大人同士が一緒に生活するのであれば、当たり前の前提です。

【繰り返しが肝心 】

1回でニッコリ言うことを聞いてくれる夫はまずいないでしょうし、聞こえない振りをしたり、その場から逃げたりするでしょうが、折に触れて、何度も何度も言い続けることです。

結婚はずっと続く生活ですから、粘り強く頑張って!

 

ただし占いの立場から申し上げれば、妻自身ははっきり伝えているつもりでも、主張が控えめな星だったり、あるいは逆に一言多い星だったり、さらには夫の星に、家庭の場ではエネルギーがほとんどなかったりすることもあります。また夫によっては、ヘソを曲げやすい星の人もいますから、面倒だけれど、おだてつつ、根気強く、かつさりげなく伝えた方が、結局は近道のケースもありますので、そこは要注意です。

 

ただしこれらを克服しても、全く効果のない夫だったら?

その時は、その夫との結婚そのものを考え直した方が良いかもしれません。

なにしろ、この先もずっと一緒にいないといけない、パートナーですからね。自分が擦り切れてしまわないうちに、心を決めましょう。