それは愛かーーー、憎しみかーーーー。
へい!お久しぶり。
3月末から4月まで緊急入院&手術してましたがな。
まぁ、そんなことはさておいて。5月に舞台鑑賞してきたよ。
昨年12月にチケット当選してお金を払いこんでいたのだけど、入院時期と被らなくって良かったよかった。
これがもし被っていたならば、悔やんでも悔やみきれん。
だって、奮発してお高いS席にしたんだよ。
人生初の観劇ということもあって、ちょっとお高いオペラグラス(双眼鏡)も用意していたんだよ。
無駄にならずに済んで良かったよかった。
さて、舞台。
そもそも、刀剣乱舞とは・・・、ニトロプラスが提供する刀剣育成シミュレーションゲーム(オンラインゲーム)。
名だたる刀剣たちが人の姿に形を変え(刀剣男士)、歴史改変を企む歴史修正主義者たちと戦いを繰り広げる(ざっくりとした説明)。
今回は慶長熊本に出陣し、放棄された世界で戦うお話。
公演日程
東京公演(明治座)
2022年3月19日~4月3日
福岡公演(福岡サンパレス ホテル&ホール)
2022年4月22日~4月24日
大阪公演(新歌舞伎座)
2022年4月30日~5月15日
※2部構成
出陣する刀剣男士の紹介。()内は演者名。
・歌仙兼定(和田琢磨)
細川忠興が36人手討ちにしたことから三十六歌仙にちなんでその名が付けられた。雅にこだわりがある。
・山姥切長義(梅津瑞樹)
・にっかり青江(佐野真白)
・亀甲貞宗(松井勇歩)
貞宗派の打刀。白菊のような青年に見せかけて、M属性が強い。
・獅子王(伊崎龍次郎)
源頼政の持ち刀だった大太刀。鵺という妖怪を斬った逸話を持つ。背負っているのは鵺。
・篭手切江(大見拓土)
細川家伝来の脇差。歌仙より少し後に細川家にやって来た。歌って踊れる刀を目指している。
・古今伝授の太刀(塚本凌生)
先行調査員。
・地蔵行平(星元裕月)
先行調査員。
あらすじ
政府の回線を通して、本丸に何者かから入電がなされる。
その者に心当たりがあった歌仙は、彼からの指図通り、仲間たちと共に慶長元年の熊本へと飛ぶ。
史実ならば、その時代は細川忠興を藩祖とする細川家が熊本城の城主として藩を治めているはず。しかし、ここでは全国から集まったキリシタンたちの巣窟となっていた。
三手に分かれて情報収集することにした刀剣男士たち。
後に出会った入電の主・古今伝授の太刀から話を聞かされた歌仙は、キリシタンたちのシンボルとして細川ガラシャが祭り上げられていることを知る。
これも史実ならば、ガラシャは細川家が熊本に移封される前に亡くなっているはず。
当の本人は、先行調査員であるはずの地蔵行平と共に逃亡中だという。
一体どういうことなのか、刀剣男士たちはさらに調査を進めることに。
刀剣乱舞の世界観
刀剣乱舞はこれまでアニメ化(2種類)、映画化、ミュージカル化、コンシューマーゲーム化、そして舞台化されてきた。
しかし、この刀剣乱舞という作品は少々特殊で、媒体によってそれぞれ違う本丸となっている。
よって、同じ刀剣男士をモチーフとしていても、本丸によって少々性格が違っていたりする。
同じ2.5次元であるミュージカル(以下、刀ミュ)と舞台(以下、刀ステ)でも、監督や脚本家、演出家の意図や意向、さらにはそれを演じる者の理解力や演技力・元から備わっている雰囲気と相まって、それもまた違ってきたりする。
篭手切江は、刀ミュでは健気でかわいいのに対して、刀ステだとお調子者といった感じ。
にっかり青江は、刀ミュではねっとり濃厚豚骨ラーメン的なのに対して、刀ステはさっぱり醬油ラーメンな感じ。
今回共通して登場しているのはこの二振りだけだけど、今後の展開次第ではもっと増えるかもしれない。
その他の刀の印象。
古今伝授の太刀は、原作ゲームと同じくたおやかな喋り方だけど、声が野太い。原作はもっと声の線が細い感じ。
地蔵行平を演じている方のSNSを事前にチェックしていた。
普段の格好がきれいに結った長髪にバッチリメイクでジェンダーレス男子なのかな?動画で声を聞いたら男性が女性の声を演じてますみたいな感じだった。
でも、あの刀剣男士たちの中に混じってみると、女の子の声に聞こえるという。
あれ?女の子かな?女の子じゃね?うん、女の子だ(rigretは思考を放棄した)。
今回出陣したメンバーの中では、亀甲貞宗が一番原作に近かった。声質も喋り方も間の取り方も、めちゃくちゃ研究しているなと分かる。個人的には彼を演じている松井勇歩さんにMVP賞をあげたい。
2階席で観てたからさ、正直みんなの口元が見えない訳ですよ。つむじばかりが見える。
だから、いま誰が喋ってるのか分からないことが結構あってさ。その中でも原作に近いところで演じてくれている亀甲さんは助かるのです。だからMVP賞。
作品内容に関する感想
プロローグはキリシタンたちのシーンから始まる。
のっけからセリフの応酬が早すぎてさ、(ちょちょちょ、早いってば)となる。理解が追いつかんぞ。
わりかし間とか考えてゆったりめに会話がなされていたのはガラシャ様と地蔵行平のシーンぐらい。
地蔵行平役の星元裕月さん。名前からして宝塚歌劇団出身かなと思ってしまう。でも違う。
宝塚といえば、ガラシャ様役の七海ひろきさんがガチの宝塚出身者である。
実を言うと本作は再演である。コロナ禍だった2020年、一部演出を変更しての公演がなされた。
これまで刀ステでは男性だけが出演してきた。
ここへ来て初めて女性が登場するとなって、一部のファンによって界隈が荒れたという。男だけの世界がいいらしい。
だが、七海さんの圧倒的演技力と美しさによって、そんな声を一掃してしまった。
そんな彼女がさらにパワーアップしての再演。
脚本家兼演出家の末満さんによれば、彼女のためにライトを増やしたという。
細川ガラシャおよび細川忠興の略歴
三浦綾子の小説『細川ガラシャ夫人』を読了済みである。その後、関連する資料本も読んである。
そのため、ガラシャ様身びいき気味だよ。反対に、細川忠興にはヘイトが溜まっている(笑)
細川ガラシャは明智光秀の娘。ガラシャは洗礼名で、本名は玉もしくは玉子。
織田信長の命令によって、彼女は細川忠興に嫁ぐことに。
光秀は本能寺の変後、盟友だった細川藤孝(幽斎)に助力を頼むが彼はこれを無視。
忠興が会津征伐で徳川家康に付いて家を空けることになった際、敵対する石田三成がこの機に乗じて徳川側の大名の家に仕掛けてくるだろうと予測できていたのに、ガラシャを見殺しにした。
よって、細川藤孝(幽斎)・忠興父子は二代に渡って、明智父娘を窮地に追い込んだことになる。
だから嫌い(笑)
特に忠興は、信長と同類の人間でサイコパスだと思われる。そんなんだから、36人も家臣を手討ちにできるんだよ。
劇中、忠興が「高山右近から聞いたキリスト教の話を玉に教えたがばっかりに、あいつはキリスト教にのめり込んでしまったんだ!!」(うろ覚え)というようなセリフを言うシーンがある。
いや、違うだろ。自分の罪がキリスト教の存在を教えたことだけにあると思うなよ。
本能寺の変が起きた際、忠興は謀反人の娘となった玉を京都の味土野に幽閉する。通常であれば離縁するところを。
その後、天下人となった豊臣秀吉から許しを得たことで、大阪の細川屋敷に移り住むことになる。が、エロじじぃである秀吉の目を恐れた忠興は玉に屋敷から出ることを禁ずるのだった。
彼女はずぅーっと閉じ込められていたことになる。人を縛り付けておきながら、忠興は好き勝手なことをしているし。
そんな彼女の心を救えるのはキリスト教しかなかった。
彼女と全然向き合わずに追い詰めさせたのはお前だ、忠興!!
総評
こうしてみると、ガラシャ様は身勝手な女だなという印象。
あ、あくまでも歴史改変されたこの世界線でのガラシャ様の話ね。
地蔵行平が可哀想すぎるがな。
あんなに尽くしてあげたのに、気が変わってあっさり他の女に移り変わった男(=ガラシャ)に捨てられた女(=地蔵行平)の構図に思えてくる。
終始、セリフの応酬が早口で、え?みんな理解できてる?と思ってしまう。特に初見さん。
一応、自分は歴史的流れを頭に入れているからなんとかという感じだけど。
でも、いまいち話の内容に入り込めない自分がいる。
2階席での観劇で、物理的距離と役者たちの表情が全然見えないというハンデがあるせいかもしれない。
そのせいか、2部のクライマックスで周囲からすすり泣きが聞こえてきた時は、え?泣いてる?と驚いた。
そんな泣く要素あったか?感情移入できてない自分が悪いのかもしれんが。
あと、忠興のは人を自分の思い通りにコントロールしたい&支配したいという独占欲の表れで愛情だとは思ってないので、劇中でいくら綺麗にまとめようが、信じられんと思ってしまうのだ。
忠興、すべてお前のせいだぞ(どんだけ嫌いなんだ)。
忠興はただ単にガラシャ様の顔の美しさに惚れているだけで、彼女が月並みの顔をしていた場合、あっさり離縁してたはずだよ、きっと。
本作は単品で観ても楽しめるが、これまでの刀ステも通して観ておくことで、そのつながりや関係性がよく分かる作品となっている。
【結論】
演劇は生で見るより、カメラで必要なところを映し出してくれるライビュや配信もしくは円盤の方がいいなと思いました。
そっちの方が表情がよく見える。
(演劇人が聞いたら泣くぞ)
グッズ購入した。
あーーーー、ガラシャ様ーー!!
お美しいですわーーー!!!
千秋楽
2022年5月15日千秋楽のライブ配信&ライブビューイングが決定!
みんなで舞台刀剣乱舞の勇姿を見届けよう。
ライブ配信の予約はこちら
2公演フルセット 5800円
昼公演(12時30分~) 2500円
夜公演(18時~) 3800円
ライブビューイングの詳細はこちら
映画館で観るライビュは、終演後のバックヤード生中継付き。
夜公演(18時~) 3800円