座頭市物語 公開年:1974~1975年 制作:日本 評価:☆☆☆☆ 完了日:2017年1月 ラベル:時代劇富士山








勝新太郎の伝説的テレビ時代劇。
原作は子母澤寛の小説『座頭市』より。





映画の成功を受けて、テレビ用に製作したらしい。映画の興行収入が下がり、映画からテレビへと移行してきた時代。映画人を引き連れて、連続テレビドラマに挑戦。


だから、絵作りが映画並みのクオリティ。これを毎週やってただなんて信じられん。どれだけ予算かけてたんだ。


かつてのフジテレビは、どれだけカネが掛かってもいいから作ってくれと、頼んだらしい。今のフジテレビにはそんな気概は微塵も残ってやしないけど。





時代背景とか知ってないと、話が分からないところがややある。ニコニコ生放送でコメント付きで観たから、なんとなくついていけたけど。


あらすじ所々間違えてるかもしれん。生暖かい目で見てやってね。


とりあえず、4話までしか観てない。1日2話づつの放送。






第1話
盲(めしい)の市(勝新太郎)は旅路を急ぐ。岩場の道を行く道中、年配の男から酒を振る舞われる。


年配の男は、足尾銅山で人足家業を営む「山元」の経営者だった。山元の親分は、市に良かったらうちに寄ってよ、と声を掛け、二人は別れる。


山元の経営にライバルが現れる。経営を邪魔されたくなければ、娘を差し出せと脅してきた。


これを知った市は果たして・・・?





ライバルの男が若かりし頃の津川正彦。全然気づかなかった。コメントで分かった。


人物の配置の仕方で遠近感を表現する。テンポのいいカット割り。


カラーフィルムだけど、あえて色味を抑えることで緊張感を生ませている。そして、ろうそくの火を灯したかのように戻ってくるカラーが鮮やかさを生む。


そして何より、勝新の目にも止まらぬ殺陣の見事さよ。え?この人、人間なのか?と思うほど。


ざらついたフィルムの時代が時代劇を表現するのにふさわしい。いまの時代はキレイに見えすぎちゃって、見えなくても良いものまで見えちゃうからね。






第2話
柿をとっていた少年・タロキチ(坂上忍)を手伝ったことが縁で、市はタロキチから仕事を紹介される。


そこは色街。
タロキチの母親がそこで下働きしていたのだ。タロキチの母親は、病気かなんかで死亡していた。






女郎のおよし(中村玉緒)にあんま(マッサージ)をしてやってるシーン。なんか痛そうなのだが。どんな雑なマッサージやねん。


この頃、この二人は既に夫婦だったのか否か。時期が分からん。


玉緒さんが色っぽい。吐息だけでみんな、「やべー」「玉緒なのに」とかコメントしてた。それがどうして今じゃ「グヘヘヘ」と言ってしまう玉緒さんになってしまったのか・・・!


そして、子役時代の坂上忍さん。こんな素直でかわいい子が、どうしてあんな酒呑みギャンブル狂毒舌潔癖症になってしまったのか・・・!


子役忍は、歯の生え変わり時期で思い切り前歯2・3本抜けてたけど。





タロキチは実は豪商の隠し子だった。母親が死亡したこともあり、彼を引き取りたいという申し出が女郎屋を営む旦那の方に来た。


同じ頃、タロキチの祖父が市にタロキチを豪商の家に連れていってやってほしいと頼み、そのまま息を引き取ってしまう。祖父はもう命わずかばかりの病気だったのだ。


この頼みに市はどうする?


うどん食いながらの敵をやっつけるって、何やねん!?


ここでも、光と闇の陰影の使い方に特徴がある。





おまけでラストに流れた瀬川瑛子の「愛しの土方様」という歌&バックダンサーに全てを持ってかれた(笑)


やべー。「時代劇専門チャンネル」(有料)、チョー面白そう。






第3話
勝新が監督回。


悪党の縄張りであんまをしていた市。そこで証文にサインしろと迫られて困ってる人がいたので、偶然を装って証文を焼いてやった。





怒らせてしまった市は、簀巻きにされて川に流されてしまう。


そこを通りかかったのが30代くらいの青年・紋次(北大路欣也)。市は彼に助けられるが、その後、紋次に付けられることに。


若かりし頃の北大路欣也。かっこいい。めちゃくちゃギラついた感じがする。目力がすごい。




助けに入った紋次にすがり付く倅。倅じゃま(笑)
それじゃ、刀振るえないだろ。


紋次はどうしても市と手合わせをしてみたいらしい。市の方は、なんで自分なんかにこだわるのか、この男の気が知れないとでも思ってそう。
 





第4話
芸者のお駒(太地喜和子)とある縁で彼女の過去を聞いた市。


お駒は、罪人として島流しにされたが、当時彼女のお腹には子供がいた。生まれた子供を門番だった喜助が引き取り、育てることに。子供は母親の顔を知らずに育つ(女児3歳)。





数年が経ち、お駒は島流しから戻ってきた。預けた子供を探していると言う。


一方、座頭市を探し出してくればカネをたんまりやろうと縄張り争いをしている二組(ライバル同士)から言われ、市を探している男がいた。





「あんただから、頼んでんでさぁ」


市からじきじきにそう言われちゃあ、惚れるしかないよな。スゲー嬉しい。


市がキレた。昔から八洲は悪いヤツと相場が決まってるんでさぁ。





市が目を見開く時、盲らしく白目を剥いてるのだが、あれを長時間キープするの大変じゃないか。ずっとやってたら、絶対頭痛が起きるよ。