幸福トラベラー 著者:山本幸久 出版社:ポプラ社 出版年:2013年2月13日 評価:☆☆☆ 完了日:2015年3月4日 ラベル:ラブストーリー&青春
恋しちゃった たぶん
気づいてないでしょー
by YUI『CHE. R. R. Y』
主人公視点で物語は進行していく。友達に話しているような非常にくだけた文章。
中学2年生の小美濃春生(こみのはるお)は新聞部に所属している。全国新聞コンクールでも上位に入賞する強豪校だ。
今日は新聞記事のネタにするため、上野に一人で取材に来ていた。上野に関する雑学がたくさん出てくる。『アド街ック〇国』並みにその土地について詳しくなれるぞ。
上野恩賜公園で取材をしていると、修学旅行で東京に来ていた女の子に出会う。変な見栄を張っちゃったものだから、カメラを持ってくるのを忘れたという女の子のため、春生は写真撮影のお供をすることに。
彼女の名前は行方彩夏(なめかたあやめ)。
思春期真っただ中の男子中学生・春生。女の子と付き合ったことのないチェリーボーイだから、彼女との行動にどぎまぎ意識しまくり。
「これって、他人から見たら、恋人同士に思われるかな?」とか考えちゃってるけど、まぁどう見ても姉弟にしか見えないわな。チビでやせっぽちの春生と彼より背が高くてお姉さん然としている彩夏じゃ、全然恋人同士に見えないって。
一方、彩夏は春生のどぎまぎにも意を介さず、自分本位なフリーダム人間。
女の子ってよく分からない(´・ω・`)を体現している。
著者の他作品『ある日、アヒルバス』に出てくるアヒルバス旅行会社の人たちも出てくるよ。こっちはまだ未読だけど。
事あるごとに春生の過去の記憶が惹起され、いちいち説明が入るけど、別にいらんと思う。特に同級生で同じ新聞部のなまいきな女子に対する鬱憤がめんどくさい。それが、後々の伏線にでもなっていればいいけれど、少ししか使われてないんだよなぁ。
春生には好きな人がいる。学校の1年上の先輩・高橋真理。だが、彩夏と一緒に過ごすうちに、先輩のどこが好きだったんだろうとあやふやになってしまう。
・・・少年、それは恋だな(ズバリ!)。
恋しちゃったんだよ、彩夏に。
奇跡は起きるか―――?
起きるなら起きるで、もうちょっとドラマチックというか、書き方に気をつければいいのに。あっさりとしすぎていて分かりにくかった。そこら辺、もう少しページを割けばよかったのに。
え?ページ数が足りない?だったら、それより前の部分が要らないところ多すぎだからそこ削ればいいよ。
再会場面はもっと大切に。
なまいき女子がもっと仕掛けてきてくれるかと思ったが、それもなかったしな。がっかりだぜ。