けんかのきもち 著者:柴田愛子 絵:伊藤秀男 出版社:ポプラ社 出版年:2001年12月1日 評価:☆☆☆ 完了日:2017年7月29日 ラベル:その他宇宙人
 
 
 
 
 
 
 
けんかのきもちって、どんなきもち?
 
 
 
 
 
第7回  日本絵本大賞  受賞作品
 
 
小学生が図工の時間に描くような絵。絵本作家・長谷川さんとはまた違う感じ。
 
 
 
 
 
子どもたちのための施設「あそび島」。
主人公の「たい」は、その隣に住んでいる。
 
 
ある日、たいはあそび島で友達の「こうた」とけんかした。殴る蹴るの激しいものだ。
家に駆け込んでお母さんに泣きつく。
 
 
泣いても泣いても、気持ちが収まらない。どうしたらいいのだろう、この気持ち・・・。
 
 
 
 
 
泣きつけるお母さんがいていいですなぁ、たいくんは。
 
 
自分にはそんな存在、居らへんかったですわ。母ちゃん、帰ってこんかったし。学校で何かあっても、全部自分で処理せねばならんかった(気持ち的に)。
 
 
学校がイヤで行きたくなかった時があった。ずる休みしたかったが、母親から「学校へ行け!」と無理矢理追い出されてしまった。
 
 
自分の母親は全然、人の気持ちを聞いてくれない。受け止めてくれなかったっスわ。
 
 
 
 
 
小学5年生の時ぐらいに、自分が赤ちゃんだった頃の話を親から聞こうという学習(宿題)があった。
 
 
母親に産まれた時の体重・身長を聞きに言った。母親は洗濯場にいた。
 
 
母親「そんなもん、ガキ3人も産んでりゃ、覚えてる訳ねーだろ!!」
 
 
すごい形相で言われた。
 
 
・・・そうか。仕方がないから新生児の標準的な体重・身長を参考に適当に記入して提出した。
 
 
虫の居どころが悪かったのかも知れん。が、言い方ってものがあるだろう。
 
 
 
 
 
rigretは長子。親にとって第1子というものは、何もかもが初めてだから特に記憶に残ったりするもんじゃないのか。そう今では思うんだけど。
 
 
「親の心、子知らず」とは言うが、「子の心、親知らず」とも言える。
 
 
だから、受け止めてくれる存在がいるたいくんが羨ましい。
 
 
 
 
 
けんかした直後は、「もう絶交だ!」「許さない!」という気持ちが勝ってカッカしてしまう。同時に悔しさも込み上げてくる。けんかに負けた時は特に。
 
 
そのあとに襲ってくるのは後悔。絶対許すもんか、と気持ちを頑なにすればするほど、涙が止まらなくなるのは何故だろう?
 
 
それは自分自身を縛り付ける行為だからだろうね。頑なな態度は相手側の態度も硬化させる。そうなると余計衝突しちゃうんだよね。
 
 
相手は変えられない。だけど、自分が変われば相手も変わる。
この絵本は、そういうことが如実に判る絵本だ。