沈没ホテルとカオスすぎる仲間たち 著者:七尾与史 出版社:廣済堂出版 出版年:2012721日 評価:☆☆ 完了日:20141112日 ラベル:ミステリーひらめき電球

 
 
 

 

 

 

装丁画、後ろの車に乗っている人は『ゴルゴ13』のあの人でいいですか?()

 

 

デビュー作『死亡フラグが立ちました!』や『ドS刑事』シリーズで有名な著者が贈る今までとは一味違うミステリー。

・・・今までとは違うと言われても、自分としては初読み作家なんだけどな。『死亡フラグ~』はバラエティ番組のドラマ再現で観たから内容は知ってるけど。

 
 
 
 

 

 

バックパッカー(貧乏旅行者)の溜まり場「ミカドホテル」へようこそ!

貧乏人のためだけあって、最底辺の安宿だよ。

 

 

年間を通して涼しくなることなんかないタイ・バンコク。いぶされているような熱気が体にまとわりつく。そんな過酷な環境の街は、同時に人々の脳みそをとろかすようだ。独特な空気感とも相まって、人々を堕落の道へといざなう。

 
 

 

「ほほえみの国・タイ」って言われてるけどさ、その内実はドロドロとしたものが蠢いていそうだな。

 

 

 

話的にはおもしろいんだけど、残念なのは誤字・脱字がちょいちょい見受けられること。そこ出版の要なんだからしっかりしろ。

 
 
 
 

 

 

一橋はタイにある安宿「ミカドホテル」に投宿している。ここの宿泊客の多くが日本人であり、彼らは時たま集いながら生活をしていた。

 

 

ある日、宿泊客の一人が遺体となって発見される。

怠惰で賄賂さえあれば何でもありな現地警察には任せておけない。ミカドホテルの宿泊客たちは、残された手掛かりをたどって、独自に調査を開始する。

 

 

だが、犯人による仕業なのか、事情が分かりそうなものにたどり着く前に、ことごとく潰されてしまう。・・・ということは、犯人はミカドホテル周辺にいるってことになるのだろうか?

 
 
 
 

 

状況証拠、憶測だけで犯人を決めつけちゃダメだ。その程度で物語が終わるになるわけがない。だって『死亡フラグ~』の作者だぜ。そんな簡単なわけないやん。

 
 

 

犯人は、みんなが言うアイツ(容疑者A)じゃなしにアイツ(容疑者B)だろうな。容疑者Bが登場してきた辺りから連続殺人が始まったのだから。

 
 
 
 

 

 

作中に出てくる消費者金融放火殺人事件は、どう考えても「武富士事件」をモチーフとしてるよね。

 
 

 

同じ状況説明文が何度も登場してくる。そんなの、今までのストーリーをきちんと読んでいれば理解してるはずだから、何度も出す必要はないんじゃないか。今まで明らかになった点を整理分析するという上では、1、2回程度で済ませるべきだろう。ちょっとウザい。

 

 

ミステリー小説となると、いつもは己の考えが及ばず、犯人を当てることができない。だが、本作は約半分読んだ時点で犯人が判っちゃった☆

練りが足りないゾ。最後の最後で裏切りがあるかなと思ってたんだけど、全然そんなのなかった。考えていた通りのヤツが犯人だったよ。

 
 

 

 

情景描写が下手だな。わざとらしさを感じる。

あと表現がおかしい所がある。「〇〇はいわれたとおりにカーテンを閉めた」とあるのに、その直後にまた「○○はいわれるままにカーテンを閉めた」とある。


もう1回カーテンを開けたという表記も何もないのに、2度もカーテンを閉めることなんてできるわけないだろう。

 

 
 

 

犯人の犯行動機がなんて、ちゃっちいものだろうと思ってしまった。