少女は黄昏に住む マコトとコトノの事件簿 著者:山田彩人 出版社:東京創元社 出版年:201339日 評価:☆☆ 完了日:2014915日 ラベル:ミステリーひらめき電球

 
 
 
 
 
 
 
 
 

「さあ、マコト!事件のことを洗いざらい話すのだ!!!」

 

 
 

 

安楽椅子探偵もの。本作の探偵はオタク女。

物語は誠と琴乃の会話でほぼ埋め尽くされている。ラノベっぽい感じ。

 

 
 
 
 

 

【目次】

ボールが転がる夏

毒入り缶コーヒー事件

たぶんポオに捧ぐ

吹雪のバスの夜に

密室の鍵は口のなか

 

 
 
 
 

 

刑事・姫山誠(男性)。25歳。童顔のため、高校生に間違われることもしばしば。だが、精神はれっきとした日本男児のそれである。このギャップが面白い。

みんなからは「マコちゃん」と呼ばれている。本人はやめてくれと思っているのだが。

 

 

「名探偵マコちゃん」。誠はこれまで数々の難事件を解決してきたこともあり、署内ではこのような二つ名を持っていた。だが、そこにはカラクリがあって・・・・。

 

本当の名探偵は、引きこもりでオタクな女子高生・綾川琴乃だったのだ!!

 

 
 

 

誠も変だが、琴乃も相当変だ。思考や嗜好がマニアックすぎる。

 

しゃべり方も変わっている。誠と琴乃の会話がさ、二人とも古めかしいしゃべり方をするもんだから、どっちがどっちのセリフなのか分からない時がある。そこはもうちょいキャラ設定考えてよ。

 

 
 
 
 

 

「ボールが転がる夏」

人通りの少ない空き地にある掘っ立て小屋で死体が見つかった。しかも、密室事件。

 

「名探偵は実は私だ」という琴乃の言葉を信じようとしない誠は、なら、この事件の謎を解いて証明してみせろと挑戦状をたたきつける。

果たして琴乃は、どのようにこの謎を解くというのだろうか。

 

 

「他人に嫉妬したり、偏見で退けたり・・・」とか誠は言ってるけど、お前、最初から偏見の目で見てたやんけ。そこは恥じないのか。

 

 
 
 
 

 

「たぶんポオに捧ぐ」

『黒猫/モルグ街の殺人』で有名なエドガー・アラン・ポーへのオマージュ作品。

 

豪華ホテルの完成お披露目パーティーに出席することになった誠。そこで、イベントの出演者として呼ばれていたマジシャンのゴロウ・スカイウォーカーの死体が発見された。犯人の遺留品には不可解なことが多すぎて・・・。

 

 
 

 

微妙に表現がおかしいところがあるよなぁ。どうしてそこで「堂々と胸をはって」の表現になるのやら。

 

 
 
 
 

 

「吹雪のバスの夜に」

ある人からの頼みで琴乃を北海道にいる彼女の祖父母のもとへ連れていくことになった誠。

 

その帰りのバスが吹雪に見舞われてしまう。このままバスを進めるのは危険だと判断した運転手は、近くにあった土産物屋へ避難させてもらえるよう手配してくれた。

 

吹雪の勢いが弱まってきたため、希望者のみを乗せてバスは出発することになった。琴乃と誠もそこに加わる。その道中で、よもや殺人事件が起きようとは・・・。

 

 
 

 

そもそも、犯人が雪山男なら、いつバスから出てくるかどうかも分からない相手を吹雪いてて寒い外でずっと待ち伏せしていられるものだろうか。この線は早々に消えるよ。誰もツッコまなかったね、この点。

 

 
 
 
 

 

表現が画一的だから、もっと表現に磨きをかけてくれと言いたくなる。

コミカルなシーンでもあんまり面白くないと感じてしまう。コミカルさに軍配が挙がるのは東川篤哉氏ですよ。この違いは何なんだろうね。言葉のチョイスによるものか。