MEMORY 著者:本多孝好 出版社:集英社 出版年:2013年9月20日 評価:☆☆☆☆ 完了日:2014年2月14日 ラベル:現代
森野と神田の物語、堂々完結
『MOMENT』、『WILL』に続く森野と神田シリーズ、第3弾。『WILL』しか読んでねぇのに、先に本書を読んじまったわ。
前作の感想はこちら
→読書感想文 本多孝好『WILL』
この作家は、美しい空気感を作り出すのがホント、上手いなと思う。文章のうまさと美しさと・・・ホント、嫉妬するくらい。
【収録作品】
ACT.1 言えない言葉~the words in a capsule
ACT.2 君といた~stand by you
ACT.3 サークル~a circle
ACT.4 風の名残~a ghost writer
ACT.5 時をつなぐ~memory
「君といた~stand by you」
出会い系の広告が入ったティッシュ配りのバイトをしている俺。誰も受け取ってくれないどころか、あからさまな侮蔑の目や舌打ちを向けられることもあり、俺の心はくじけそうになる。
そんな時、急に声を掛けられる。そこには、かつてのクラスメイトがいた。
出遭いたくはなかった。思いだしたくもなかった。
同じ境遇に堕とされた似た者同士。大人になったというのに、あの頃と変わらない冴えない自分。
公園で出会った一人の男子高校生との会話により、俺の心持ちが少し変わる。
過去と向き合うため、俺はまた歩き出す。
道中での俺の独白部分がドラマチックすぎて、過去の状況と併せて胸にグッとくる。
ぼっちにとって、心がえぐられるような物語。泣くわ。泣かずにはいられない。
「サークル~a circle」
10年前に高校を卒業した私。あの時が、私にとって人生で一番輝いていた頃だったと思う。だけど、今の私にはそのような輝きは最早ない。
私はあの人のことを思い返していた。ソフトボール部に入部してきた一学年下に当たる彼女のことを。
その一行、その一言だけで、心が打ち震わされる。また泣くし。文章が本当に上手すぎる。
森野が懺悔室に詰めている神父さまのように見えた。でも、森野は、よくあるような気安い慰めの言葉なんか言わない。絶対に。
「時をつなぐ~memory」
看護師の私は、脱走癖のある患者を探していた。捜索中、別病棟の患者と思われる中学生の少女と出会う。
彼女は私にこんなことを聞いてきた。
「この病院には願い事を一つだけ叶えてくれる人がいるって本当ですか」
それは、かつて病院にいたあの人が残した噂話だった。
たとえ気休めだったとしても、それ一つで気持ちが救われることもあるのだ。
森野と神田の『WILL』のその後も描かれており、紆余曲折があった二人の物語もこれでお仕舞いとなる。良かったね、本当に良かったね。
森野と神田の物語、堂々完結
『MOMENT』、『WILL』に続く森野と神田シリーズ、第3弾。『WILL』しか読んでねぇのに、先に本書を読んじまったわ。
前作の感想はこちら
→読書感想文 本多孝好『WILL』
この作家は、美しい空気感を作り出すのがホント、上手いなと思う。文章のうまさと美しさと・・・ホント、嫉妬するくらい。
【収録作品】
ACT.1 言えない言葉~the words in a capsule
ACT.2 君といた~stand by you
ACT.3 サークル~a circle
ACT.4 風の名残~a ghost writer
ACT.5 時をつなぐ~memory
「君といた~stand by you」
出会い系の広告が入ったティッシュ配りのバイトをしている俺。誰も受け取ってくれないどころか、あからさまな侮蔑の目や舌打ちを向けられることもあり、俺の心はくじけそうになる。
そんな時、急に声を掛けられる。そこには、かつてのクラスメイトがいた。
出遭いたくはなかった。思いだしたくもなかった。
同じ境遇に堕とされた似た者同士。大人になったというのに、あの頃と変わらない冴えない自分。
公園で出会った一人の男子高校生との会話により、俺の心持ちが少し変わる。
過去と向き合うため、俺はまた歩き出す。
道中での俺の独白部分がドラマチックすぎて、過去の状況と併せて胸にグッとくる。
ぼっちにとって、心がえぐられるような物語。泣くわ。泣かずにはいられない。
「サークル~a circle」
10年前に高校を卒業した私。あの時が、私にとって人生で一番輝いていた頃だったと思う。だけど、今の私にはそのような輝きは最早ない。
私はあの人のことを思い返していた。ソフトボール部に入部してきた一学年下に当たる彼女のことを。
その一行、その一言だけで、心が打ち震わされる。また泣くし。文章が本当に上手すぎる。
森野が懺悔室に詰めている神父さまのように見えた。でも、森野は、よくあるような気安い慰めの言葉なんか言わない。絶対に。
「時をつなぐ~memory」
看護師の私は、脱走癖のある患者を探していた。捜索中、別病棟の患者と思われる中学生の少女と出会う。
彼女は私にこんなことを聞いてきた。
「この病院には願い事を一つだけ叶えてくれる人がいるって本当ですか」
それは、かつて病院にいたあの人が残した噂話だった。
たとえ気休めだったとしても、それ一つで気持ちが救われることもあるのだ。
森野と神田の『WILL』のその後も描かれており、紆余曲折があった二人の物語もこれでお仕舞いとなる。良かったね、本当に良かったね。
