$縮まらない『何か』を僕らは知っている-door
door/androp (2011)

ヘッドフォンMirrorDance

1. MirrorDance
2. Alpha
3. Amanojaku
4. Puppet
5. Youth
6. Q.E.D.
7. Clover
8. March

初回プレス分「8枚の扉」仕様
2011年2月16日発売


●Amazonより引用
新世代のポピュラー・サウンドを引っ提げ、andropがいよいよ3枚目のアルバムをリリース!

andropは初めての純正J-POPかもしれない。あらゆる議論が終わって「J-POP」がまぎれもない僕らのコミュニケーション・アートになった2000年代に、時代のPOPの粒子を吸い込んで吐き出すandropは何かの始まりを告げている。
― rockin' on/山崎洋一郎

今、時代が何よりも求めているのは、繊細さと傷つきやすさ、そして潔癖性を兼ね備えた表現だろう―良くも悪くも。そして、andropもまた、そんなヴァルネラブルな次世代ポップを鳴らしている。しかも驚くべき完成度で。このフラジャイルで、透明感溢れるサウンドスケープがどんな現在と未来を描き出すことになるのか、しっかりと見届けたい。
― snoozer/田中宗一郎

信用できないから、多くのコトバを歌って信用の在り処を模索する。理屈を嫌悪するから、自由なメロディに自分を投影する。この一歩を進める難しさをわかってるから、リズムにそれを託す。この世界、誰だって何かに生かされてるから、自分で生きようとするための歌―。
今、最も可能性に満ちた「一人称の物語」が、どんどん鋭利に磨かれ、削られ、タフな音楽動物に進化している。ちぎれそうなほどいとしきこの心の音よ、ハレルヤ!
― MUSICA/鹿野淳


◆CDJournal.com:特集
新たな世界への扉を開け放つ、andropの3rdアクションを分析!

 まずはアルバムのリード曲「MirrorDance」に触れてみてほしい。確かな強度をたたえたバンド・アンサンブルを軸にしながら、軽やかな高揚感とともに上昇していくこの曲には、“ここから2010年代の新しいロックの〈扉〉を開いていく”と確信させるに十分なクオリティが備わっている。モダン・ロックとダンス・ミュージックとポップスがこれほど美しいバランスで融合している楽曲は、本当に稀だと思う。

 また、エレクトロニカの要素を大胆に取り入れたギターレスのナンバー「Q.E.D.」、ドラマティックなメロディ・ラインに心を揺さぶられるミディアム・チューン「Clover」など、音楽性そのものも大きな広がりを見せている。
 
 そのサウンド・フォーミュラーはまさに変幻自在。古今東西の音楽のアーカイヴが進んだ2000年代を終えて、僕らはいま、新しいポップ・ミュージックのスタイルを手にしようとしている。このアルバムを聴いていると、そんなワクワクした気持ちに包まれてしまうのだ。
 
 サウンドの進化と重なるように、歌の世界観もさらなる奥行きを獲得しつつある。そのことを象徴しているのは「Puppet」だろう。操り人形を主人公にしたこの曲で彼らは、現代における人と人と関係性――危うくて脆く、きわめて切実な――をリリカルに描き出す。シリアスな現実にしっかりと向き合いことで生まれる世界観を、できるだけ多くの人が共有できる表現として提示していく。それこそがポップ・ミュージックの役割であることを、おそらく彼らは自覚し始めているのではないだろうか。 (森 朋之)


◆RO69(アールオーロック):ディスクレビュー/邦楽 androp「door」
嘘さえも優しく飼いならして

 カジュアルで全く文学的な難解さのない言葉だけでandropの歌はできている。メロディやサウンドやアンサンブルも過剰な装飾を慎重に避けながら自然に耳から心へ、心から体へと染み込むように緻密にコントロールされている。何の違和感もなくJ-POPの中に溶け込み決してノイズを立てない、それがandropの音楽の特徴のひとつだ。一方で彼らの楽曲にはJ-POPに必須の現代的なライフスタイルとリンクするようなキーワードが全く使われていない。あらかじめ本質的なテーマだけを剥き出しにした言葉と音符と音色の連なりだけでできているのだ。

 このふたつの特徴が合わさったandropの音楽は、やはり異色だ。いつの間にか親しい仲間の輪の中に紛れ込んでいた心の声だけで語りかけるエイリアン。挨拶その他あらゆる手続きをすっとばし、いきなり無限の愛を証明する無謀なコミュニケーションが、この『door』では炸裂している。その結果、時代の閉塞感を打ち破る問答無用の輝きを持つ“MirrorDance”のような楽曲が生まれた。このドアの向こうを見たいと多くの人に思わせる力がここにある。(古河晋)


◆Web Magazine “Qetic”:Music/androp(アンドロップ)
楽曲も映像もPower Pushされています! 全貌がベールに包まれたバンドandropを知るために……まずはコチラの映像をチェック。


androp Official Website