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SARU(上)/五十嵐大介 IKKI COMIX (2010)
伊坂幸太郎とのジャンルと
出版社の壁を超えた競作
2004年の「魔女」に続き、昨年「海獣の子供」で2度目の文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞に輝いた鬼才・五十嵐大介。今月発売される本作は、人気小説家・伊坂幸太郎とのジャンルと出版社の壁を超えた競作プロジェクトとして、早くから注目を集めていた。
小説のマンガ化でもなければ、小説家が原作を書いたわけでもない。伊坂と五十嵐がともにアイディアを融合・共有し、小説とマンガで別々の物語を仕上げるという前代未聞のコラボレーションだ。すでに伊坂の小説「SOSの猿」は、昨年暮れに中央公論新社から出版されている。
同書の特設HPに掲載された対談によると、2作品に共通する「『エクソシスト』と『西遊記』を混ぜた話」は、もともと五十嵐が温めていたアイディアだったという。本作では、バチカン公式エクソシストのカンディドと、斉天大聖・孫悟空が取りついたフランス人少女イレーヌが登場する。
以前から定評のある精緻な作画に加え、圧倒されるのは世界を股にかけた壮大極まりないスケールだ。明の時代の中国、20世紀初頭のシベリア、1982年のフォークランド、ペルー、フランス、インド、イタリア……。時間と空間を超え、次々と舞台が変わるオープニングだけで、たちまち引き込まれる。
なお、本作は単行本描きおろし作品とのこと。下巻は同じく書きおろしで6月末に発売される。
(コミック・ブレークvol.125)
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五十嵐大介×伊坂幸太郎 競作プロジェクト始動――!!
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五十嵐大介周辺日誌
2010/2/25 発売