2020/11/22 4:36撮影(再現時間)
Nikon D810A + AF-S Nikkor 14-24mm f/2.8G ED KENKOスカイメモS使用
(追尾撮影)11/22 3:23~ ISO3200 f/4 S=120s × 30
(固定撮影)11/23 4:37~ ISO3200 f/4 S=100s × 8、ISO3200 f/4 S=90s × 10、
ISO3200 f/4 S=75s × 2、ISO3200 f/4 S=60s × 3
計 53画像使用 総露出時間 1時間38分50秒
(使用ソフト)Sequator、ステライメージ7、Adobe Photoshop CS6、Lighroom6、Elements14、
Starnet++
ご訪問ありがとうございます。(^^)
今回は、昨年11月に北陸の海岸沿いで撮影した新星景写真を取り上げたいと思います。
編集過程の画像も一気に公開しちゃいます!
これから新星景を撮りたいと考えている方など、興味のある方は参考にして下さい。僕も
まだまだ研究途中で上級者とはまだ言えませんが・・・・。
それでは、いってみましょう!
今回紹介する画像は西に沈んでいくオリオン座&冬の銀河なので、撮影は追尾撮影から
開始します。カメラをポータブル赤道儀に載せて地上風景を入れた構図(再現時間となる構図)
を決めます。決まったら赤道儀の赤経軸を戻して(この場合時計回りとは逆になります。)狙う
オリオン座と冬の銀河を構図に入れます。そして・・・、追尾開始です。(^^)
追尾が進んで撮影画像が水平になった頃に追尾を終了します。この場合はカメラの水準器
を使うといいでしょうね。内蔵されていない場合はクイックシューに水準器を付ける方法もあり
ます。
赤道儀の追尾を終了してから固定撮影で20~30画像程度撮影しました。
次は編集です。
追尾画像・固定画像を53画像撮影したので(実際はもう少し多く撮っていますが、車のヘッドライトなど
余計な強い光で照らされた画像は没にしています。)、これらをLightroom6で読み込み、TIFF形式に
変換します。
変換したTIFF画像のうち追尾画像30枚をSequatorでコンポジットします。
①
30画像コンポジットした結果がこれ。①とします。ステライメージ7を使って①の画像をソフトビニング
処理して次の②のフラット・フレームを作成します。
②
③
①の画像を②のフラットフレームでフラット補正したのが③ですね。これだけでも結構、面倒
臭いです。(;+)地上の景色が入っていない星野写真だと簡単なのですが・・・・・。
④星消し前画像
③のフラット済の追尾画像をPSのレベル補正で処理。ヒストグラムの山を滑らかにします。
星と赤い星雲がうっすらと出てきましたね。赤い星雲は改造機でないとこんな風には出てきま
せん。僕はこの④の画像を星消し前の画像と呼んでいます。
⑤
こちらは、④星消し前画像に明るさの最小値フィルターをかけて輝星(大き目の星)だけが目立つ
画像を作りました。星のバックグラウンドの空は明るさを落として暗くします。この⑤の画像は
追尾画像を完成させる為にけっこう大事なのです。(^^)この後の行程で使いますので一旦
保存しておきます。(人それぞれやり方があります。これは今の僕のやり方に過ぎないので、
違和感がある場合はパスしておいて下さい。(^^))
⑥
お次は、Starnet++(星消しソフト)を使って星を消してみました。お見事に消えていますね~。
でも時間かかります。D810AのRAW→TIFFに変換したデータで30~40分くらいはかかる覚えです。
そして、星が消えた⑥の画像をPSに入れて強調処理します。
コントラスト、色相色彩、トーンカーブなどいろいろやります。強調したくない部分はマスク処理
で隠しながら行います。PSを使うのはレイヤー機能が付いているからです。これは本当
に便利!
⑦
PSを使って星消し画像の強調処理も終了です。これを⑦とします。
⑧
⑦の画像と④の画像をPSでレイヤーとして読み込み、50:50の比率でブレンドすると⑧に
なります。形になってきました!
⑨
次は⑧と⑤をPSでレイヤーで読み込み、比較明でブレンドします。そうすると、シリウスとか
アルデバランとか大きい目立つ輝星の輝きがはっきりとします。これが⑤の画像をわざわざ
作成した理由(写楽風の簡単なやり方)です。もっと編集の上手い上級者の方は星マスクを
使うそうですが、僕はまだ習得できていないので現状はこんな感じです。でも効果はいいで
すよ。
これで追尾画像(星空用)は完成です。やっとここまできました。(;+)頑張るゾ!
次は固定画像、23枚(ライトルーム6でTIFFに変換後のデータ)をステライメージ7でバッチ処理
します。(加算平均合成、σクリッピング)
⑩
すると、このようになります。滑らかになってノイズが減ります。(^^)
⑪
⑩の画像をPSでレベル補正して色を追尾画像の色と近い感じにしておきます。これを⑪とします。大切
ですね。
⑫
そして、⑪の画像と追尾画像の完成形⑨を岩の輪郭と水平線を境にElemets14で二値マスク
合成するとこのようになります。
盛大に風景漏れ(追尾画像に残っている地上前景の影)が出ていますね~。これはタマラン!
(;*)
これを解消する為に、もう一度⑫の画像と⑪の画像をマスク合成します。
上の画像の破線に囲った部分のみを⑪から抽出します。境界線にはぼかしを入れます。
この場合はPSを使ったほうがいいですね。
すると、こんな風にまとまります!
⑬
風景漏れが固定画像の光害部分で隠れ、自然な感じとなり、水平線付近の船の明かりも戻って
きました!いい感じ!(自己満の世界カモ!)
この⑬の画像をさらにPSのレベル補正を使って色被りを軽減して仕上げたのが1枚目の
完成画像であります~!!
新星景写真というのは、この通り編集に時間がかかるものです。でもやっていて楽しいし、完成
すると上手い下手はあると思いますが満足感があります。
これからもどんどんと新星景写真には挑戦していきたいですね。
長い間お付き合いいただいてありがとうございました。本日はここまでとします。