専門家の提案を聞いてくれないことはたくさんある

 

人によって乗り越え方は無数にあります。

先日こんな話を伺いました。

 

人に迷惑をかけたくない話

 

私、体には自信があったんだけど、通りに出る前に転んじゃったの。

 

近所の人が見つけてくれたけど私はいい体型だから起こせなくて・・・。

主人を呼んでくれて、起こしてくれたから助かったけどね。

骨折でもしたら、それこそ迷惑をかけていました。

 

それに最近トイレが近くてね、もしも外に出て間に合わなくなっちゃったら迷惑をかけちゃうでしょ。だからあまり遠出は嫌なんです。

 

 

今までデイサービスなど「大丈夫」の一点張りだったおばあちゃん。

一対一でゆっくり話をしていたら理由を話してくれました。

 

娘さんからは

 

「太っているからお風呂で裸を見られるのが嫌なんだと思います。」

 

と聞かされていました。

 

だから自分の嫌な面を見られたくないのかな?と思っていました。

 

 

 

けど、この人は迷惑をかけたくなかったんです。

 

(もちろん裸を見られたくない気持ちもあると思います。)

まだ家なら自分でできるという気持ちがある。

でも娘には弱い面を見せたくないので言わなかったのかもしれません。

 

 

 

この利用者さんにとって家族に頼まれてサービスを利用するよりも

サービスを利用して誰かに迷惑をかけるほうが心が苦しい。

 

だから、もしも私が

「粗相してもスタッフがやってくれるし、そういう人が多いから大丈夫ですよ」

 

・・・なんて言っても、そんな言葉が届くわけありません。

 

考えてみれば自分でもきっと同じことを言いますし(笑)

 

 

 

一人でやれることはやる。

 

粗相をしても自分のペースでおむつを交換するほうがいい。

それがどんなに大変でも。

相手に迷惑をかけたくないし自尊心が許せない

 

本当に人によって大変になっても乗り越え方は違います。

今までその人がどういう経験で乗り越えてきたか?

人に頼るのが上手か?

自力で何でもしてきたタイプか?

 

そういう経験値が、高齢になっても発揮してきます。

サービスを利用してもいい

サービスを利用しないで自分で頑張ってもいい

 

どちらも自立に向かった意思だから

素晴らしいなと思います。

 

今日の学び

「いままで乗り越えてきた話を聴こう。」