地方にもファッションを <神戸は関西のファッション都市?> | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
https://arlnata.com/index.html


 フリーランスパタンナーの北村悦子さんに二回にわたって記事を書いていただきました。

<参照記事『Japan=Tokyoという考え』~前編~

<参照記事『Japan=Tokyoという考え』~後編~



 日本のファッションの状況を見ていると日本=東京な感覚になりがちですが、最近では、東京という場所にこだわることなく自分の育った街、学んだ街でモノ作りに打ち込むデザイナーも徐々にではありますが増えて来ているのでしょうか。やはり家賃とスペースの問題は東京と大阪の間であってもその差は明白ですし、モノ作りをする上で創作環境というのは精神的にも大きく影響を与えるものですから、そういった意味で自分にあった環境づくりを考える事は非常に重要ですし、その上で考えると東京という場所を離れるということも選択肢として多いに有り得るということは認識すべき点だと思います。


 文中にもありましたが、地方にアトリエを構えているデザイナーの皆が(北村さんの知り合いの場合ですが)海外留学の経験があったり海外で発表の場所を考えていたりする共通点があるという所はなかなか興味深い点で、実際ミラノに住んでいても思うのがここで出会う日本人の多くは東京出身というよりも地方出身者が多いのです。僕の個人的な感想だと関西圏、中部圏の人が周りには多い感じがします。この点を分析してみると、やはり地方出身者からしてみれば、大学や専門学校に上がる時や就職をする際に、やはり一度は大都会での生活を憧れるものですし、そう考えると地方から東京に上京するという事が一般的ですが、中には東京に行くのではななく、さらに国境も越えて海外の都市に出てしまったという人が多いのではないかと考えます。東京出身の人は既に東京で育って来たために既に不自由が無い訳ですから、東京を出ようという考え自体が地方の人間よりも起こりにくいのではないかと分析します。


 個人的には東京は大好きですし、言ってみれば世界中のものが何でも揃うのが東京ですし、情報も何も集まり過ぎているという位集まっていて、物的不自由は何一つ無いでしょう。ご飯も美味しいし、何時まででも店は開いているし、便利すぎる街だと思います。可能ならば東京に住みながら“どこでもドア”で海外の会社に出勤したいくらいです。それくらい魅力的な街ではありますが、と同時に人間というのは感情を持っているので、地元を離れて生活しているとやはり自分の育って来た大阪や関西というものが気になって来まして、関西にも素敵なファッションが注目される様な何かが出来ないのかな、、、などと、やっぱり自分の故郷が良くなってほしいという気持ちを持つ様になってきました。このように自分の育った街が良くなってほしいと思うのは誰でも自然な事だと思います。東京はもちろん素晴らしい日本を代表する街の一つですが、地方にこそ日本的な良い事が溢れており、それこそが日本の良い所だと思います。地方の行政に携わる人間だけでなく、それぞれの出身者が自分の地元を思い、例え東京に住んでいても地元を意識して良くしようとすることは出来る訳ですから、そういった自分のルーツを皆が愛し意識できるようになれば地方も少しずつ活性化して行くのではないでしょうか。いつも言う事ですが、表面的な方法で外に向けてアピールする事も大事ですが、より重要なのは内にいる人々(内にいた人々)に適切に訴えかけ、その土地の出身者が地元を愛せる様になる手段を講じて行く事が長い眼で見た時に必ず効果が出てくるのだと思います。


 話は変わりますが、とある日本のテレビ番組であの有名な建築家の安藤忠雄さんが「神戸は日本の中でもとても奇麗な街なのだから、もっとそのアピールに力を入れるべきだ。大阪は人間がもっときれいにならないと街もきれいにならない」とおっしゃられていました。若干冗談めいた感じもありましたが、それでも言わんとする事はなんとなく分かる気がします。僕は神戸も大好きな街の一つですがまだ知らない事が多すぎです。大阪ですら知らない事だらけですが、、、。あの安藤さんがそうおっしゃっていられるのですから、神戸には関西におけるファッション中心都市として可能性がある気がします。さて、どういうことが可能なのか、僕の以前の「地方創世論」とはまた別に色々とこれから考えていこうと思う今日この頃です。






11/18~22の僕自身の記事「新人ファッションデザイナー達による地方創世論」も是非参照してください。

<参照:新人ファッションデザイナー達による地方創世論 1:アパレルの生産拠点は地方にある

<参照:新人ファッションデザイナー達による地方創世論 2:デザイナーと工場の地域密着型協同作業

<参照:新人ファッションデザイナー達による地方創世論 3:地方密着型協同作業によるメリット

<参照:新人ファッションデザイナー達による地方創世論 4:地域密着型協同作業が地方創世に寄与する仕組み



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