ワインとファッションの類似性 (後編:ワインもファッションも勉強次第) | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

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約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
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 前回、前々回とイタリアワインの王様と呼ばれているBarolo(バローロ)の産地、Barolo(バローロ)を訪れてワインとファッションには似通った点が多いなと気付いたことについて書きました。

<参照:ワインとファッションの類似性 (前編:イタリアワインの王様の街 Barolo、バローロを訪れて

<参照:ワインとファッションの類似性 (中編:デザインと同様、ワインの個性も色々



chicco winery


 僕は何度も言う様にワインに関しては素人ですので素人の意見を超える事は出来ませんが、素人が素人なりにワインを楽しもうと思うならば、まずはお店にいってよく出ている様なワインを飲み比べてみる。一つ一つラベルを写真に撮っておいて、気に入った味があればその同じ名前の違うワイナリーのを試してみる。やっぱり好きなら、そのぶどうの種類、産地を調べてみて、同じ産地もしくは同じ地域で他の種類のワインが無いか調べて、それをまた試してみる。飲む→比較→調べる→飲む→比較→調べる→、、、、のサイクルを繰り返しながら、その過程で知識を少しずつ身につけて次に活かすということになるでしょうか。好きなワイナリーが見つかったらそれをネットで調べてみて他の品種があったり、赤だけかと思っていたら白も作っていたり!じゃあ試してみたいなあ、、。同じ名前のワインなのにこっちとあっちでなんで値段がこんなに違うの?、、、なんで高いのか飲んでみたいな、、、という具合に。だから一番始めはそれらが何も知識として無い訳ですから当然「ワインなんてわからない」となるわけです。ですが、それでもなんらかの機会があって興味を持って少しずつ理解し始めると楽しくなってくるものです。もちろんそうなるためにはお金と時間をかけて楽しみながら勉強するという事以外に方法はないのです。そして「ここまで覚えたら全部!」というような範囲はありませんし、地域性や歴史等から必然的に出てくるそれぞれのワインの“個性”が豊富にあるということ、そして「最終的には個人の好みで個人が楽しむという事が大事」という絶対的な数字で評価する事は出来ない点がワインをより興味深い物にし、世界中の多くの人がそれに魅せられているのだと思うのです。


(ちなみにワインをうまく整頓するVIVINOというアプリが英語ですがあります。ラベルを携帯で撮影してスキャンさせると、世界中のそのアプリを使用している人の評価が出てくるという優れものです。もちろん使用している人みんながプロではないのであくまで参考にというくらいで見た方がいいと思いますが、自分自身のラベル整理にもなるので、僕は重宝しています。)


そこで強引ですがファッションを敢えてワインで例えてみるならば、

ワイナリー=ブランド
ぶどう=生地・テキスタイル
畑=生地屋
熟成方法=アトリエでの制作方法(パターン、デザイン、縫製、加工など)
ビンテージ(ぶどうの収穫年)=コレクションの年/季節

となりましょうか。ワイナリーが世界中にたくさんあるようにブランドも世界中に無数にあり、ワイナリーが育てて(買う場合もある)ワインの元となるぶどうを用意する様に、ブランドも洋服の元になる生地(テキスタイル)を生地屋の得意分野や嗜好を考慮して吟味する。同じぶどうでもワイナリーによってその熟成期間・方法などが異なる様に、ブランドによって例え同じテキスタイルを使用してもデザイナー・パタンナー・縫製者によって仕上がりは違うしそれをどう加工するかで雰囲気も変わってくる。ワインにも何年のぶどうで作った物が良いワインだと評価される様に、コレクションも何年のあのシーズンがよかったなと評価されたりする。両者の間に非常に似通った点があるように思えます。


 どちらにしても「わからない」というのは単に「知らない、勉強・経験不足」なだけであって、お金と時間をかけながらゆっくりと楽しみながら知って行けば自分の人生が少し豊かになるものだと思うのです。始めはどちらにしたって手探り状態になるでしょうし、ある時に、「あ!これはこの前どこかで読んだ(聞いた)ものだ!なるほど!」ということがあるからこそ楽しくなって、興味が湧き、また勉強しようと思えるものです。幼少期の勉強も同様で、理解できる様になるからこそ先に進みたくなるのです。ですが、どれだけお金があっても、どれだけ社会的地位が高くても、ワインの味やファッションのセンスはお金を払ったからといってすぐに習得できる物ではありません。自分自身での継続的な努力によって徐々に身に付いていく物だという事は間違いないでしょう。だから、ファッションにしてももし「興味があるけどよくわからないからな」と思っている人がいれば、これが良い機会だと思ってもらって是非勉強をスタートしてみて下さい(他人に頼ったり任せるのではなく自分自身で勉強しないと意味はありません)。そうすればある時になって間違いなく人生の楽しみがまた一つ増えたと感じるでしょうから。


 ちなみに、Barolo(バローロ)にあるエノテカ(ワインショップ)で店のおじさんに聞きました、「Baroloって言っても色んな種類があるし、値段の幅も色々あるけど、どうやって区別するの?」と。彼は笑顔で答えました、「それは飲んで覚えるしか無い」って。なるほど、では洋服ならこうなるでしょうか、「洋服って色んなブランドがあるし、同じ様な雰囲気に見えても色んな価格帯のものがたくさんあるけど、どうやって区別すればいいの?」「それは着て見て肌で覚えるしか無い」







 実はBaroloに行くのは今回が二回目で、最初に訪れたワイナリーの直営店で今回も訪れてやっぱり美味しかったワインがあるので紹介します。Gianni Gagliardo(ジャンニ ガリヤルド)というワイナリーのBarolo2008年はレストランで飲みましたが、今回の旅で一番美味しかったのではという内々の評価でしたのでお勧めします。ここのLanghe Nebbiolo(ランゲ ネッビオーロ)も試飲させてもらいましたが美味しかったです。素人の推薦ではございますが、、、。

Gianni Gagliardo
http://www.gagliardo.it/home.html





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