パリのテラス席はファッションのお勉強場所 | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
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 先週より日曜日までパリにいました。パリにいつも行くと思うのですが、やたら滅多らとテラス席が多い事です。角にあるバーは角を取り囲むようにとにかくテラス席がある。実際そのテーブルと椅子の隙間、テーブルとテーブルの隙間はそんなに広くないし、快適というわけでもない。どんなにスペースが無くても無理矢理テラス席を7~8席だけ用意してっていうような店も少なくない。そして、そんなテラス席は決まって店を背にして街を見渡せる様になっています。
今回もテラスで軽くビールを飲む事があって、そうすると自然と街を行き交う人々を見てしまいます。キレイな人だ、カッコいい人だとか、お洒落な人だとか、あれはやりすぎでしょ、とか勝手に人間チェック(ファッションチェック)が始まる訳です。



 そうしてるとふと気付きましたが、このテラスが当たり前にある環境というのは実はファッション感覚を磨く大きな要素になってるんじゃないかと思ったのです。街を歩く人でいいなと思う人をみればそれは自分の参考として記憶のどこかに残るだろうし、ダサイなと思えばそれもそうしないでおこうという参考に間違いなくなるでしょう。雑誌の写真なんかより、普通の一般人を見ているわけでより身近なファッションですし、まさに生きたファッションの勉強が自然と出来る場所ではないでしょうか。

 

 日本にも窓ガラス越しに外に向けて街(道)を眺めたりするお店も結構増えましたが、そんなとき間違いなく無意識に行き交う人々を見ちゃいますよね。友達とかと一緒であれば、特徴のある人が通れば絶対「見てみてあの人!」って話になります。じゃあ、日本だってファッションセンスを鍛える環境はあるじゃないかと思いますよね?いや、決定的な違いがあると僕は思うのです。それは店の客の外に対する視線ではなく、街を行き交う人々の店の客に対する外から内への意識の存在なのです。


 例え店の席が外に向けて設けられてあっても、ガラスを一枚隔てるだけで(そこにお店の名前とか何か模様が少しでも入っていればなおさら)、外と内との区別が起こり、外を普通に歩いているだけでは“見られている”という感覚はそのお店の中の人の存在を意識しないと起こりにくいはずです。一方パリのテラスの様な完全外の席に座っている客の視線は意識せずとも普通に入って来ます。もちろんそれがパリを歩いている限りずっと続くので、慣れてくると言えば慣れますが、この他人の視線を浴びる事が普通になる環境というのはファッションセンスを鍛える上ではとても重要になると思いますし、パリにいればそれが普通になってしまう。だから、自然とお洒落をしようという意識になるのではないかと分析する訳です。


 もちろん、そんなの気にし過ぎだと言って気にしない人もたくさんいるでしょうし、そう言う人は気にしなければいい。でもファッションっていつも言いますが見られることが前提ですし、見られる事にある種の快感を得られない人はファッションには興味が無いはずです。でも興味のある人からすれば普段街を歩くだけの行動ですら視線ガンガンの中を歩かないといけない訳ですから、これは程よい緊張感も手伝っていい訓練になると思うのです。



 さて、そんな話を日本人の大大先輩に話した所、日本は消防や警察がうるさくてパリのテラスの様な事は難しいとおっしゃられていました。でも実際に何が問題なんでしょうね?僕はまだその欠点が理解できていませんが、テラスが増える事でその街を行き交う人のお洒落レベルがあがり(即効性は期待できませんが)お洒落な街になって人や企業の誘致がしやすくなるかもしれない利点が欠点より勝っているのであれば、日本のどこかの街でテラス推進運動はじめませんでしょうか?大阪とかどうでしょう?そうしたら大阪の名物とも言える“やりすぎた服装”も少しは洗練されて行くのではないかと期待しているのですが、公務員の皆さん、政治家のみなさん、是非考慮していただいてはどうでしょうか?



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