新型インフルエンザの優先接種対象者のワクチン接種が今週から開始されました。接種できる医療機関もHPで公表され、いよいよ新型インフルエンザのワクチン接種が本格的に開始・・・と思われている方も多いと思いますが、医療現場の実体はとてもとてもというところです。10月中旬に申請した医療従事者分の新型ワクチンの医療機関への納入は、小児科や産科などを標榜する医療機関では、申請の約9割が納品されていますが、その他の医療機関には申請数の約3~4割程度しか納品されず、11月に入っても残りがいつ納品されるかハッキリしないという状況で、優先接種対象者であれば、すぐに接種できるとう状況では全くありません。
加えて、さらにここに来て問題になっているのが従来の季節型のインフルエンザワクチンが極端に品薄になってきていて、10月中旬あたりから開始されている季節型インフルエンザの予防接種が、いまほとんどの医療機関で希望者全員が接種できなくなってきています。
私の勤務する診療所でも10月までは希望者全員が接種できましたが、今週から在庫切れのため接種を中止しています。
もともと、新型インフルエンザワクチンの製造のため、従来の季節型ワクチンの製造量が例年の7~8割程度になると言われていましたが、こんなに早く品薄状況になるとは予測していませんでした。
あらかじめ品薄になることが予測されるので、早めの接種を・・と案内していたこともありましたが、10月度の接種者数は、昨年の約4倍となっており、製造量の減少に、接種者の増加も品薄に拍車をかけています。このまま状況があまり変わらないようであれば、新型だけでなく、季節型のインフルエンザワクチンも優先接種順位を決めなければならないことになるかもしれません。
季節型のインフルエンザの流行もまもなく始まることを考えると、国の早急な対応が求められます。
新型インフルエンザワクチンを接種できる医療機関および接種開始予定日が厚生労働省や都道府県、市のHPで公開されはじめています。接種開始スケジュールや接種可能医療機関は下記HPでご確認ください。
なお、情報の多くがPDF形式となっていますので閲覧ソフトがない場合は事前にダウンロードしてください。
厚生労働省HP
神奈川県HP
相模原市HP
公表されている接種可能医療機関でも、いわゆる「かかりつけ」の患者のみにしか接種をしないとしている医療機関が多く、相模原市でも公表されている医療機関の半数以上が「かかりつけのみ」としていますので、接種が可能か市の窓口や医療機関によくご確認ください。