「文句なく3つ星だね。」
4種のチーズのペンネを食べて、
総裁はつぶやいた。
この瞬間、
500店の★付けが終わったのである。
足かけ3年。
様々な苦楽を味わい、
メンバーも入れ替え、
うまいもまずいも乗り越えてきた、
この探検が
ゴールへとたどり着いたのである。
最後のお店は「オステリア・ヴィンチェロ」
新宿御苑エリアになるものの
靖国通り北側の
路地裏にひっそりと佇んでいます。
ランチのメニューは2種類
2種類と言っても
ドルチェ&ドリンクが着くかつかないか。
500店記念の探検隊は迷わず「B」をオーダー。
本日は総裁・司令官・歩兵・日本橋方面隊長
それに私、隊員の5名。
それぞれにパスタを選びます。
まずは前菜サラダは、真鯛のカルパッチョ!
季節野菜のグリーンサラダとかでなく、
しっかり前菜なのがうれしいですね。
鯛も柔らかな歯ごたえが楽しめて、
バルサミコと良く合います。
・・・これはパスタが楽しみ。
そして、登場。
まずは司令官のラグーボロネーゼ
そして、日本橋隊長と隊員がボンゴレ
総裁・歩兵が、3つ星の決め手、
4種のチーズのペンネ。
とりあえず、総じて濃いめです。
決してしょっぱいとかそういうものではなく、
具材とか、引き立つべき味が、
十分に引き出されている。
という意味での濃さ。
ボンゴレ見てもわかるように、
殻から出されて調理されており、
丁寧な手仕事を感じさせます。
とどめには、これ、
濃厚チョコレートジェラード!
やられました。
ゆったりとコーヒー飲みながらの
満足感と達成感。
文句なしの★3つ。
静かなレストランの、
ランチタイムの最後、
厳かに終了の詔が告げられたのです。
『朕(ちん)、新宿ランチの大勢と、
探検隊の現状とに鑑み、
非常の措置をもって、
時局を収拾せんと欲し、
ここに忠良なる隊員に告ぐ。
朕は、五百店を以て探検を終了する旨、
通告せしめたり。
そもそも新宿区民の昼食の充実をはかり、
美食の楽を共にするは、
新宿の労働者の遺範にして、
朕の挙々おかざるところ。
先に全店制覇に宣戦せるゆえんも、
また実に美食の自存と昼食の安定とを
庶幾(しょき)するに、
出でて他地域の食を排し、
無為の食を繰り返すがごときは、
もとより朕が意志にあらず。
しかるに、探検すでに三歳をけみし、
朕が隊員の勇戦、励精、奉公、
おのおの最善を尽くせるにかかわらず、
店舗は、かならずしも美食に限らず、
しかのみならず、休憩内に足の及ぶところ、
まことに測るべからざるに至る。
しかもなお探検を継続せんか。
ついにわが美食追求の滅亡を招来するのみならず、
のべて労務規律をも破却すべし。
これ朕が探検隊をして終了に応ぜしむるに
至れるゆえんなり。
朕は探検隊とともに、
終始、美食の開放に協力せる諸友に対し、
遺憾の意を表せざるをえず。
元探検隊にして、×印に会いたる者に想を致せば、
五内ために裂く。
しかれども、朕は時運のおもむくところ、
堪えがたきを堪え、
忍びがたきを忍び、
もって万世のために太平を開かんと欲す。
よろしく探検隊一家、子孫、相伝え、
よく美食の不滅を信じ、
任重くして道遠きをおもい、
総力を新たな探検に傾け、
道義を篤(あつ)くし、
志操を固くし、
誓って昼食の精華を発揚し、
世間の進運におくれざらんことを期すべし。
汝探検隊、それよく朕が意を体せよ。』
隊員一同、
涙。
≪新宿ランチ探検隊シーズン3終了≫
しかし、
総力あらたな探検に傾け・・・とは?