本記事は、特許の出願書類の書き方講座の基礎編です。
特許の出願書類の出だし部分である、
・背景技術
・発明が解決しようとする課題（解決課題）
・課題を解決するための手段（解決手段）
の部分について、基本的な書き方をお伝えします。
この部分は、特許の出願書類で、最も重要な部分です。
ぜひご参考にどうぞ。
＜背景技術～解決課題の３パターン＞
（１）基本形
（２）別の解決手段に触れるパターン
（３）さらに改良するパターン
■（１）基本形
従来はＡであった。
ＡにはＢという課題があった。
そこで、Ｃによって解決した。
もっともシンプルな書き方です。シンプルイズベストです。
以下２つの書き方を述べます。
この２つの書き方は、解決課題の記載が複雑になっています。
うまく変形すると、すべて上記の基本形になり、シンプルに書けます。
■（２）別の解決手段に触れるパターン
従来はＡだった。
ＡにはＢという課題があった。
Ｂを解決するものとして、Ｃ１があったが、問題があった。
そこで、Ｃ１とは別の手段として、Ｃ２によって解決した。
この場合は、Ｃ１は、単に紹介したに過ぎません。
必要がなければ、Ｃ１については、触れなくても構わないはずです。
そうすると、（１）の基本形になり、シンプルに書けます。
＜例＞
従来は蚊取り線香であった。
火を使うので、危険であった。
電気式の蚊取り器具はあったが、においが気になる別の問題（★）
そこで、スプレー式の駆除剤を開発した。
（★）の部分は、説明する必要がないと考えることもできます。
そこで、シンプルに、以下のように記載できます。
従来は蚊取り線香であった。
火を使うので、危険であった。
そこで、スプレー式の駆除剤を開発した。
■（３）さらに改良するパターン
従来はＡだった。
Ａには、Ｂという課題があった。
Ｂを解決するものとして、Ｃがあったが、問題があった。
そこで、Ｃを改良して、Ｃ’によって解決した。
このパターンも、解決課題の記載が複雑になっています。
このパターンでは、本当の課題はＢではなく、Ｃです。
そこで、Ｃまでを解決課題として考えます。
そうすると、（１）の基本形になり、シンプルに書けます。
＜例＞
従来は蚊取り線香であった。
火を使うので、危険であった。
スプレー式の駆除剤を開発したが、子供がいじると危険であった。
そこで、スプレー式の駆除剤にロック機構を設けた。
↓ シンプルに
従来（蚊取り線香に代わるものとして）スプレー式の駆除剤があった。
子供がいじると危険であった。
そこで、スプレー式の駆除剤にロック機構を設けた。
●
いかがでしたでしょうか。
（２）や（３）も、敢えてこのような書き方をすることもあります。
ただ、発明の説明に力が入るあまり、長々と説明するのは微妙です。
（個人発明家の方にも多いものですが）
上記の部分は、特許の出願書類の中でも、非常に重要な部分です。
審査官もほぼ目を通します（実施例はすべて読むとは限りませんが…）
あまり複雑に記載せず、シンプルにわかりやすく書きましょう。
審査官の心証も良くなるのではないでしょうか。
＜元記事＞
特許の出願書類の書き方講座（基礎編）背景技術～解決課題～解決手段（2016年08月01日執筆）
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＜機械翻訳＞
How to write patent application documents: Background technology - Problems to be solved - Solutions [Rewritten version]
This article is the basics of the course on how to write patent application documents.
I will teach you the basic way to write the opening section of a patent application document, which is
- Background technology
- Problems that the invention is trying to solve (Problems to be solved)
- Means to solve the problems (Solutions).
This section is the most important part of a patent application document.
Please use it as a reference.
<Three patterns of background technology - problems to be solved>
(1) Basic form
(2) Pattern that mentions another solution
(3) Pattern of further improvement
■(1) Basic form
Conventionally, it was A.
A had a problem called B.
So, it was solved by C.
This is the simplest way to write. Simple is best.
I will explain the two ways of writing below.
These two ways of writing make the description of the problems to be solved complicated.
If you transform them well, they will all become the basic form above and you can write them simply.
■(2) Pattern that mentions another solution
Previously it was A.
A had a problem called B.
C1 was available as a solution to B, but it had problems.
So it was solved by C2, a different solution to C1.
In this case, C1 is merely introduced.
If it is not necessary, you should not need to mention C1.
This will make it the basic form of (1) and you can write it simply.
<Example>
Previously it was mosquito coils.
It was dangerous because it used fire.
There were electric mosquito repellents, but the smell was a problem (★).
So a spray-type repellent was developed.
You can think that the part marked with (★) does not need to be explained.
So you can write it simply as follows.
Previously it was mosquito coils.
It was dangerous because it used fire.
So a spray-type repellent was developed.
■(3) Pattern that makes further improvements
Previously it was A.
A had a problem called B.
C was available as a solution to B, but it had problems.
So C was improved and the solution was achieved with C'.
This pattern also makes the description of the problem to be solved complicated.
In this pattern, the real problem is not B, but C.
So consider up to C as the problem to be solved.
This leads to the basic form of (1), which can be written simply.
<Example>
Previously, it was mosquito coils.
It was dangerous because it used fire.
A spray-type pesticide was developed, but it was dangerous if children played with it.
So a locking mechanism was added to the spray-type pesticide.
↓ Simply
Previously, there was a spray-type pesticide (as an alternative to mosquito coils).
It was dangerous if children played with it.
So a locking mechanism was added to the spray-type pesticide.
●
What did you think?
(2) and (3) can also be written in this way.
However, it is tricky to give a lengthy explanation because too much effort is put into explaining the invention.
(This is also common among individual inventors.)
The above sections are very important in patent application documents.
The examiner will likely read over them (although they may not read all of the examples).
Don't write too complicatedly, write simply and clearly.
This should leave a good impression on the examiner.