どこへ行くのかわからない。だが、誰と一緒に行くかはわかる。

 

 

 

どこにいるのかわからない。だが、私は私のなかにいる。

 

 

 

神とはなにか知らない。だが、神は私を知っている。

 

 

 

世界とはなにかを知らない。だが、世界は私のものである。

 

 

 

自分の価値がわからない。けれども、比べるものではない。

 

 

 

愛とはなにか知らない。そして、私は君の存在に打ち震える。

 

 

 

衝撃を避けることはできない。だが、どうやって耐えるかは知っている。

 

 

 

暴力を否定できない。だが、残酷であることは否定する。

 

 

 

世界を変えることはかなわない。だが、自分自身なら変えられる。

 

 

 

なにをしているのかわからない。だが、私の行為が私を創る。

 

 

 

自分がなにか、私は知らない。だが、自分はなにも知らないなどとは、私は言わない。







『リアリティのダンス』
アレハンドロ・ホドロフスキー
青木健史訳