清武英利「しんがり」 | 走って、食べて、本読んで…

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読書専用ブログでしたが、ヤフブロからラン記録とB級グルメ記事をまとめて引っ越してきました。とても同一人物が書いているとは思えない?という脈絡のなさがウリです(笑)

まず、今回の本のご紹介をする前に、著者にご注目ビックリマーク

 

って、プロ野球に興味のない方にはサッパリ分からんでしょうなあてへぺろ

 

でも、結構な大事件になっていたので、記憶されている方はいらっしゃるかも。

 

清武英利氏。

 

そう。あの読売巨人軍の球団代表を務められていた方ですよ(もともとは社会部の記者だったそうですが)。

いわゆる「清武の乱」で追放処分となってしまいましたが、官僚的で柔軟性のない球団の体制を変えようと尽力された方として、今でも野球ファンの中では伝説的な人物として語られる方です。

 

私も知らなかったんですが、現在はノンフィクションライターとして、主に企業のルポを中心に執筆活動されているんですね。

 

そんな清武氏の渾身の作品 「しんがり ~山一証券最後の12人~」

若い方々はご存じないかもしれません。かつて日本が「バブル崩壊」を迎えた1990年代のこと。

絶対に潰れないと言われていた金融機関が次々と倒産を迎えることになります。

中でも、四大証券の一つ、「法人の山一」と言われていた山一証券の破綻は、日本のみならず世界を揺るがす大ニュースでした。

 

本書は、その山一の破綻のドキュメンタリーというだけでなく、沈んだ船に残り、ほぼ無給の状態で数か月も「何故、山一は破綻したのか」報告書をまとめた12人の社員たちを追った感動作となっています。

 

ドキュメンタリーですから、会社を破綻に追い込んだ、当時の経営者がそのまま実名で書かれています。

とてつもなくリアルですガーン

どうせ潰れる会社なのですから、そのまま放っておけば、いずれ人々の記憶からも消えてしまいます。

だから、別に真相の究明などせず、サッサと転職しても、誰も責めないと思います。

 

しかし、この12人はそれを是としませんでした。

この12人が会社を破綻させたわけではありません。

でも、きっと「正しい何かを残さなければならない。それが山一に勤めたものの責任だ」、という熱い想いがあったのでしょう。

 

自分の勤める会社が、国民に多大な迷惑をかけて破綻したとき、自分はそこに残って真相を究明するだろうか…。

誰もに問いかけている作品だと思います。

 

 

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書名:しんがり
著者:清武英利
出版元:講談社+α文庫
初版:2015年8月
紹介文(文庫本裏表紙より)

1997年、四大証券の一角を占める山一證券が突如破綻に追い込まれた。幹部たちまでもが我先にと沈没船から逃げ出すなかで、最後まで黙々と真相究明と清算業務を続けたのは、社内中から「場末」と呼ばれる部署の社員だった。社会部時代に「四大証券会社の損失補填」「日債銀の粉飾疑惑」など、数々のスクープを放った伝説の記者・清武英利、渾身のビジネス・ノンフィクション。