長江俊和「放送禁止」 | 走って、食べて、本読んで…

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読書専用ブログでしたが、ヤフブロからラン記録とB級グルメ記事をまとめて引っ越してきました。とても同一人物が書いているとは思えない?という脈絡のなさがウリです(笑)

今年4月に長江俊和氏の「出版禁止」を読みまして、かなり衝撃を受けたという記事をアップさせていただきました。⇒コチラ

それ以来、長江氏の他の作品を読んでみたいという気持ちが強くなっていたのですが、どうも連荘で読むというのは自分の性に合わない(笑)、ということで、半年ぶりに作品を手にすることとしました。

 

長江俊和氏の「放送禁止」

テレビ局の倉庫に眠る膨大なフィルムの数々。この中にはいわゆる「お蔵入り」となってしまった作品が数多く存在する。

そんな中から、何故この作品が「お蔵入り」となったのか、当時のプロデューサーなどから話を訊いて本にまとめたものがこの作品である…。

 

というテイストで語られる短編集です。

いわゆるマスコミ系「都市伝説」だと捉えれば良いでしょうねニヤリ

一応はフィクションということになってはおりますが、「うーん。こういう事もあるかもしれないな…」と妙に納得してしまうようなストーリーもあって、私は好きな一冊ですね。

特に、ストーカー被害にあっている女性のドキュメンタリーは、そのまま「世にも奇妙な物語」に使えそうな話ですし、最後まで心にイガイガした嫌~な気分が残る名作ですガーン

 

嫌な気分になるのが「名作」というのも変かもしれませんが(笑)、これこそが長江氏の目論見なのではないでしょうか。

 

ちなみに、この「放送禁止」シリーズ。フジ系の深夜テレビでも不定期放送していたようですが、ある時、たまたま夜中にこの番組を見ていた視聴者が、ノンフィクションだと勘違いしてテレビ局に抗議してきたそうで。

それがキッカケで上層部から大目玉を食らい、それ以降放送されることはなくなったそうです。

 

・・・真夜中にやっている番組なんだからさあ、その辺りは視聴者も空気を読んで欲しいよねてへぺろ

 

 

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書名:出版禁止
著者:長江俊和
出版元:角川ホラー文庫
初版:2016年3月
紹介文(文庫本裏表紙より)

不幸な出来事の続く大家族のドキュメンタリー。ストーカー被害に遭っている女性への密着ルポ。自殺を思い止まらせる癒しの集団での体験取材。放送する予定で制作されたものの、諸般の事情から“お蔵入り”となった番組のテープ。それらは、半永久的に倉庫の片隅に眠り続けている。なぜ放送されなかったのか?そこには、どうしても放送できない恐るべき“真実”が隠されていた。あなたには隠された真実が見えるだろうか…。