仙川環「疑医」 | 走って、食べて、本読んで…

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読書専用ブログでしたが、ヤフブロからラン記録とB級グルメ記事をまとめて引っ越してきました。とても同一人物が書いているとは思えない?という脈絡のなさがウリです(笑)

医療系サスペンスって、何とも興味深いジャンルですよね。

でも、意外にこのジャンルは点数も少ないのが実情かもしれません。

 

何しろ、あまりに荒唐無稽なことも書けないし、逆にある程度は知識もないと書けませんから。

 

著者の仙川環さんは大阪大学で医学を専攻されていたそうで、それならばリアリティもあるだろうと期待して買ってみました。

仙川環さんの「疑医」です。

脳の疾患(脳卒中)は切らずに自然治癒力を高めるのがベスト!と推奨する医師の香山。そんな香山が東京都知事に直々に請われ、都の一大プロジェクト「湾岸国際医療都市」構想の目玉として入居するとの情報が、東都新聞社にもたらされた。

しかし、香山の治療を受けた患者が死亡するという事態。一方で香山を指示する医療関係者も多数。果たして香山の治療法とは本当に効果があるものなのか、そして、何故東京都は香山を擁護するのか、新聞記者たちが孤独な戦いを挑む…。

 

みたいな話で、息をつかせない展開。なかなか面白かったですよ。

もっと医学的な見地からの切り口も欲しかったような気もしますが、あまり専門的な話を多くすると読者から敬遠されると判断したのかもしれません。

 

少年時代ブラックジャックを愛読していた私としたら、もっと医学の部分にフォーカスして欲しかったような気もしますが、意外な人物がカギを握っていたり、サディスティックな女性記者、サーヤが実に魅力的だったりと、物語の構造自体は良く練られているいい作品だと思いました。仙川環さんの作品は初めて読みましたが、他書も是非読んでみたいですね。

 

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書名:疑医
著者:仙川環
出版元:小学館文庫
初版:2016年10月
紹介文(文庫本裏表紙より)

「脳卒中は手術をするな!」を提唱してマスコミの寵児となった脳神経外科医香山和之進。医学界の常識を覆し、患者からカリスマ的支持を受けている。東都新聞首都部の記者速水絵里子は彼が、都知事が進める湾岸国際医療都市構想の目玉となることをスクープしようと意気込む。しかし科学グループ先輩記者皆川沙也が香山の治療法に疑問を投げかけ二人は対立。一方、ネットのサイトには香山の治療で家族が亡くなったとの書き込みが出て…。果たして彼は天才なのか疑惑の医師なのか?相容れない二人の女性記者が真実を追う!あまりにもリアルな傑作医療ミステリー。