東京都知事選挙の結果、石丸候補が2位になったことが驚きと共に、SNSの影響が取りざたされています。

 

マスコミでは、SNSの影響が大きいとか、天気が良くて若者が投票に行ったからとかいろいろ評価が出ています。中には、SNSしか見ていない若者が、石丸氏だけを見て投票したとか、SNSの負の側面を強調したり、若者が何も考えないで投票したようなことを言う報道番組のMCや評論家もいます。でも、本当にそうなのでしょうか。今回の投票結果を事前に予想して的中したと喜んでいる評論家の方がいましたが、彼も天気が悪ければこれほど石丸候補は伸びなかったと言っていますが、そうでしょうか。違うと思います。彼らは天気に関係なく投票に行くでしょう。

 

今の若者は、よく考えて投票に行っているように思います。そして、石丸氏が伸びたのは、若者のバランス感覚及び緊急避難行動のように思います。

 

今の若者、特に20代前半以下の若者は、選挙権の行使につて教育を受けてきました。我々の時代は、二十歳になれば選挙権ができて選挙(投票)ができると教えられてきただけです。ですから、熱心な支援者以外は、投票行く判断が、天候や応援したい候補者がいるか等でした。ですから、天気が悪かったり、気に入った候補者がいなかったりすれば、棄権をしていました。

 

でも、今の若者はどうでしょうか。選挙教育を受け、権利教育を受けて育った彼らは、40,50以上の人とは意識が違うのではと思います。まず、権利は行使すべきとの意識があり、基本は投票に行くという考えなのではないでしょうか。従って、天気が悪いとか、投票したい候補者がいないとかでは棄権しないように思います。また、投票にあたっては、本当に信頼に足るかどうかを考えていると思います。ただ、今回は小池候補も蓮舫候補も信頼に足るとは考えなかったのでしょう。そこで、棄権はしたくないと緊急避難的に石丸候補に投票したのではと思います。ただ、石丸候補を信用したのではなく、当選することもないと考えたからではないでしょうか。そして、既存政党に対して、今のままではだめだよと言う意思表示をするのに使ったのではないかと思います。

 

マスコミでは、次の選挙ではSNSの活用がカギになるとか言っていますが、カギは「どれだけ本気で日本の事を考えているか」だと思います。今の若者は、選挙教育を受けてきています。選挙に際しては何を考えなければいけないかを教育されてきています。従って、ただ、SNSで宣伝されたから票が増えたと考えていては、しっぺ返しを食らうと思います。彼らは、よく考えて投票に臨んでいると思います。これまでのようなステレオタイプの若者とSNSの関係で考えていたのでは、もはや通用しない時代になっていると思います。それは、今の40代以上の人が若者だった時代の話と思います。そう、選挙教育を受けてこなかった世代の話です。今の若者は違うと思います。

 

次の選挙では、若者がどのような投票行動をするか、今から楽しみです。

 

                      令和 6年 7月 11日