東京都知事選挙が終わりました。選挙そのものよりも、選挙ポスター/掲示板の問題でにぎわった選挙でした。

 

数々の問題が出ましたが、公職選挙法が今の事態を想定していない、時代の流れに追い付いていないと言うのがマスコミや評論家の意見のようです。でも、本当にそうなのでしょうか。選挙ポスターの掲示板は、どこの管轄か決まっているはずです。そして、勝手に壊したり掲示してはいけないはずです。公共物を私有化してはいけないはずです。ましてや、公共物を勝手に販売できないと思います。それは、公職選挙法ではない法律で規定されていると思います。これが許されるなら、公有地を勝手に販売できることになります。それがなぜ、公職選挙法だけの問題になるのでしょうか。選挙だからと言って、法令違反が許されてはいけないと思います。今からでも、きちんと取り締まるべきと思います。

 

今回の問題は、本来、日本人が大事にしてきた道徳観が全く感じられないことです。公共のものを大事にする、私物化しない。人が話している時は静かに聞く。使用目的外のものには使用しない。等々日常生活、共同生活を送る上で守るべきことが、全く守られなくなったと感じることです。声の大きいもの、その場での多数のもの、力のあるものがやりたいことをやる。日本は何故、こんな国になったのでしょうか。

 

最近、このブログでは「虎に翼」のエピソードが良く引用しています。終戦直後の日本の官僚機構の考えがいかに日本をミスリードしたかの典型と思っているからです。「虎に翼」を見ていると、当時の官僚は、将来の日本を考えるのではなく、自分たちの理想を法制化することに注力していたと思います。考えが合うものどうしが集まって、気に入らない考えの持ち主は排除して、一般民衆の問題には目もくれず、仲間内で作った法律が今の事態を引き起こしている原因の一端と思います。

 

日本人の価値観をよく思い出して、良い部分を教育し、教育しきれない部分は法律に組み込んでいく、そんな政治を望みたいです。そのためには、有識者会議ではなく、一般人会議を設けて問題点を討議する必要があると思います。また、いけない事はいけないと定め、それが健保違反となるなら、憲法を改正する。それくらいやる必要があると思います。

 

何でもかんでも、憲法が保障しているからで片づけるのではなく、必要な改正はどんどん行っていく。そのような意識の変革が必要な時期に来ていると思います。憲法から始まって、全ての法律は、国民のためにあるのであって、一部知識人や政治家や官僚の自己満足のためにあるのではありません。必要な改正はどんどん行って、自己中心の行動を諫めるようにする世の中を構築する必要があると思います。

 

                         令和 6年 7月 9日