公共教育においては、男女共学にすべきとの声があります。地方自治体も、共学に移行しようとしているようです。でも、これって正しい方向なのでしょうか。

 

賛成派は、男女平等を根拠に、性差別だと言っています。でも、価値観は人によって違います。共学がいい人もいれば、男女別がいい人もいます。それを、公が男女別教育を廃止すると言えるのでしょうか。憲法は、思想信条の自由を保障しています。男女別教育を望む人がいるのに、自治体が、男女共学に統一することは、価値観の押し付けであり、思想信条の自由を保障する憲法に違反しているのではないでしょうか。

 

現在、公教育は、男女別の学校もあれば、共学の学校もあります。どちらの学校に行くかは、本人の自由であり、自治体としては選択肢を提示しているのですから、差別とは思われません。これを、共学に統一することの方が、差別であり、価値観の押し付けと思います。

 

穿った見方かもしれませんが、共学にしろと言われている高校は、男子校の進学校が多いように思います。進学校に入れたいけど入れない、との思いは理解できなくもりませんが、入ったからと言って、いい大学に進学できるとは限りません。それは本人の努力の問題ではないでしょうか。その高校に入らなくても、良い大学に入っている人は、ごまんといます。そもそも、大学とは、本人が何をやりたいか、将来何に成りたいか等を考えて決めるべきもので、とにかくよい大学に入りたいで決めるべきものではないと思います。

 

いま、その高校が進学校であるのは、男子校であるからであって、共学にしたらどうなるかは判りません。多分、現状の進学校ではなくなるでしょう。要は、イソップ物語の金の卵を産むガチョウの話となるのでは。男子校が良くて進学していた学生は、私立の男子校に生き、元の高校はレベルが下がり、もしかしたら荒れた共学校になる可能性もあります。男女平等主義者以外の親御さんが望んだ状況はなくなる可能性もあります。否、その可能性の方が高いでしょう。男子校が、進学校でなければ、さらに荒れた学校であれば、共学にすべきなんて声は上がらなかったでしょう。

 

こんなことは無いと思いますが、賛成派の人に対してゲイやレズの人が、男女別学校を残してと言い出したらどう答えるのでしょうか。LGBTに対する差別だと言われたらどう答えるのでしょうか。

 

男女共学と言えば聞こえはいいですが、公的機関が、人々の価値観を無視して、どれか一つの価値観に決めてしまうのは憲法違反と思います。いろんな価値観の人に対して、各種の選択肢を提示することが、やるべきことと思います。

 

                     令和 6年 4月 16日