東京マラソンでのPMの走りが話題になっています。ペースが一定しなかったとか、設定ペースより遅かったとか、そもそもPMをつけることが、PMにいなかったMGCより有利でないかとかです。

 

結局、記録をクリヤする選手はいなかったので、MGC3位の大迫選手にすんなり決まったので、もめごとはなさそうです。

 

筆者が気になるのは、何故PMが必要となるのかです。でも、今回のレースで分かるように、世界記録を狙うようなときには、PMは役に立ちません。世界記録ペースで走れるペースメーカなどそうそういません。と言うことは、いくらPMをつけて好記録を出しても、世界で戦う選手は出てこないということです。日本記録更新がいいところで、世界レベルにはなかなか届かないのではないでしょうか。

 

そもそも、世界クラスの大会で優勝を狙うには、自分でレースを作れるランナーでないとだめだと思います。高橋選手も野口選手も自分でレースが作れました。残念ながら瀬古選手は、自分でレースを作るランナーではなかったので、コンスタントに上位にはいましたが、優勝には手が届きませんでした。陸連が本気で優勝を狙うのであれば、PMに頼るのではなくて、自分でレースを作れるランナーを育成すべきではないでしょうか。

 

今の日本のマラソンは、PMに頼って、ランナー間の駆け引きのできない選手ばかりになっているように思います。ただ一人、川内選手を除いては。もっと川内選手のようなランナーに出てきてほしいものです。日本マラソンの復活は、それに尽きると思います。

 

                             令和 6年 3月 5日