18歳の野球少年だった私を

歌の世界に導いた師

『阿久悠』先生

あれから31年という

時の綱渡りをしているが、

49歳という今、

あの時阿久先生が放った

『シンガーソングライターになりなさい』

この言葉の意味が少なからず分かってきた。


ラジカセを用いて聴かせてくれた、

阿久先生作詞の

「時の過ぎゆくままに」「時代おくれ」

その意味もようやく分かってきました。


そして令和というデジタル時代に、

阿久先生が残したこの一文が私の目を覚ますのです







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阿久悠『時代おくれの新しさ』


時代に遅れないように

というのがモットーで

そればかりを考えて来たが

近頃になって

上手に

時代遅れられるだろうかと

懸命に考えいる


時代という不確かなものが

まるで被害妄想のように

お色直しをくり返しているが

ずっとそれにつき合っていては

ぼくらは風邪をひいてしまうし


また

折角着たものに馴染むひまもない

だからといって

時代ばなれでいいわけでもなく

走りまわる時代を

きちんと見つめながら

「勝手にジタバタしなさいよ」

ぐらいのことは言っていい段階

ということである


変わらなくてもいい変化

不必要な新しさ

人間を馬鹿にした進歩

それらを正確により分け

すぐに腐る種類の新しさや

単なる焦りからの変化には

「パス」

と叫んでも悪くない


しかし

そのためには

新しがるよりもっと正確に

時代の知識が必要になる

一歩先へ行って

時代遅れを選択する

やっぱり幸福を考えたいから


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#シンガーソングライター

#時代おくれ