Q:長編ドキュメンタリー映画でナビゲーターとしてナレーションを担当するのは初めてですね。どんな気持ちで臨みましたか?
ナレーションの収録というのは、作品が完成する最終段階にあたるので、とても大きなプレッシャーがありました。「今まで、どれだけの時間をかけて撮影されてきたんだろう……」と思うと責任重大ですから。きちんと丁寧に、監督の求めるものを素直に忠実に出せるようにと心掛けながら、作品と向き合いました。
Q:この作品には、これまで目にしたことのないような野生動物たちの姿が映し出されていますね。
動物たちの「生きる力」を感じました。親子のきずなには素直に感動したし、厳しい大自然の中で生き抜く姿に勇気をもらいました。人間みたいに言葉が通じるわけではないのに、とても愛情深くて、きずなも深くて。もしかしたら、動物たちは動物たちで、言葉を交わしているのかもしれないと思いました。
Q:さまざまな動物の親子が描かれていましたが、特に印象的だったものは何ですか?
カクレクマノミの場面は、魚になりきってナレーションをする形だったんですけど、ここは思わず感情移入してしまいましたね。卵を守る母親の一生懸命さを表現したいと思ったんです。母の強さってすごいですよね。将来、母親になったとき、務まるのかな……と不安になりました(苦笑)。でも、あんな小さな魚ですら母性が備わっているんですよね。すごいですよね。
Q:動物たちは、生きることに真剣ですよね。
人間は、挫折したり失敗したりして、あきらめてしまう瞬間がありますよね。すべて嫌になって、「もう何もかも投げ出したい!」と思ってしまったり。でも、動物たちはどんなに過酷な状況でも、生きるのをやめない。それは本能的なものでしょうが、見習わなきゃいけないなと思いました。