企業再生支援機構の管理下で日本航空が策定した事業再生計画について、全容が13日明らかになった。グループ社員約4万7000人のうち1万5700人を削減するほか、海外27支店を閉鎖、子会社を110社体制から57社に半減するなど厳しいリストラ策を盛り込んでいる。売上高や人員をこれまでより3割も縮小する一方、安定的に黒字を出す収益体質を目指す。

 今後3年かけて、飛行機の運航を維持するのに不可欠な事業への集中を進める。子会社は旅行やホテル運営などを含め、24社を売却、15社を清算、統合により14社を減らすなどして半減する。

 機材についても燃費効率のいい中・小型機に重点を移し、現在、37機を保有するジャンボ機は15年3月までにゼロとする。

 国際線、国内線の路線リストラは、具体的な削減数に踏み込んでいない。

 一方、現役社員、OBからの同意が取り付けられた企業年金の削減案については、再生計画でも反映する方針を明記している。

 2013年3月期の売上高は1兆3585億円と見込んでおり、09年3月期より3割以上も少ない。一方、本業のもうけを示す営業利益は、12年3月期に497億円の黒字に転換し、13年3月期には1157億円の黒字になる計画だ。

 日航は、政府や銀行団などとも計画の細部を詰めた後、19日をめどに裁判所へ会社更生法の適用を申請し、機構は同日、支援を決定する予定だ。

 この再生計画を実行しながら、7月には同法に基づく更生計画を裁判所に提出する。認可が得られ次第、再生計画から更生計画に切り替え、100%減資や、機構による3000億円の資本増強などを実施する運びを想定している。

 ◆事業再生計画の骨子◆

 ▽グループ全体で1万5700人の人員削減

 ▽売却、統合、清算により、2011年3月までに子会社を110社から57社に削減

 ▽債権放棄は総額7300億円

 ▽ジャンボ機37機を15年3月までにゼロに

 ▽8月に更生計画案の認可

 ▽株主責任の明確化で、100%減資を検討

 ▽マイレージの保護

 ▽商取引債権の全額保護

 ▽企業年金基金の維持