イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

イメージ 10

闘莉王が吠えた。既にW杯南アフリカ大会(来年6月11日開幕)出場を決めている日本代表は10日、W杯アジア最終予選でカタール代表と対戦し1―1で引き分けた。前半2分、オウンゴール(O・G)で先制しながら後半追いつかれた。攻守に精彩を欠く展開にDF田中マルクス闘莉王(28=浦和)は「こんな腐った試合、ダメだね」と吐き捨てた。日本代表は17日にA組1位をかけて、アウェーでオーストラリアと対戦する。

 闘莉王は鬼の形相と化していた。1―1の凡戦を、あふれる怒りを込めて切り捨てた。「こんな腐った試合、ダメだね。オレらが自分たちで難しくした。個人での打開力とか、すべてにおいて1人1人が考えないと。負け試合だな」。6日のウズベキスタン戦に勝利しW杯出場を決めたのもつかの間、本大会で4強入りを目指すための大事な“初戦”でつまずいた。

 長谷部を出場停止、遠藤を右太腿痛で欠く中盤が機能不全に陥った。代役で入った阿部、橋本が相手のプレスに屈し、思うようなパス回しができないため、ロングボールが主体の攻撃に終始した。長谷部は「上から見ていてもシンキングスピードが遅かった」と指摘した。それが苦戦の最大の要因となった。

 しかし、それだけではない。W杯出場が決定した安ど感。ウズベキスタンからの移動による疲労や時差ボケ。岡田監督がベンチにいなかったこと。主力の負傷などで先発が入れ替わったこと。さまざまな要因でこれまで張りつめていた緊張感が緩み、いつものサッカーができなかった。「それは影響ないって言いたい」と闘莉王は言ったが、自身の怒りの矛先はそこに向かっていたはずだ。

 「皆が1対1で勝負してサポートがない。バラバラだった」。DF中沢は試合後そう嘆いた。守備面でも連係を欠いた。後半8分、中盤の甘いプレスから縦パスを通され、中沢がファウルを取られPKを与えた。連続完封も5試合で止まった。

 12日、最終予選最終戦を戦うオーストラリアに向けて旅立つ。危機感を募らせる闘莉王はさらに「オレら一度叩かれた方がいいのかもしれない。このまま簡単にうまくいくと思ったらまた(W杯)予選(1次リーグ)敗退するよ」と警鐘を鳴らした。