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(交流戦、中日2-3楽天、1回戦、楽天1勝、27日、ナゴヤドーム)楽天は1点を勝ち越して迎えた八回裏、2失点と粘りの投球を続けてきた先発の田中に代わって登板した川合、グウィンがピリッとせず無死満塁のピンチを迎えるも有銘が2連続三振など完ぺきなピッチング。九回は小山、青山で締め勝利した。田中は7回2失点で開幕7連勝となった。

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 一歩も引かない。田中が、中日の“驚砲”ブランコにキバをむいた。安打と四球で迎えた四回無死一、二塁。直前の攻撃で、田中は一死一塁の場面で打席に立っていた。カウント2-1と追い込まれてからのバントは、バットの芯に当ててしまい、痛恨の併殺打。一塁まで全力疾走し、息を整えないまま迎えてしまった大ピンチだった。

 ここで崩れないのが、今季の田中だ。初球の150キロが内角をえぐり、三ゴロ併殺打に仕留めた。その後、李炳圭のタイムリーで1点を失ったが、ブランコを打ち取ったから最少失点で済んだともいえる。

 ウオーミングアップ中、楽天の選手たちはブランコの打撃練習にくぎ付けになった。異次元の破壊音を残してスタンドに消え続ける打球に、ある中継ぎ左腕は「オレ、左でよかった…」と苦笑まじりにつぶやいたほど。田中自身も「あれヤバいっす」。それでも、「しっかりと狙いを外していけばいい」(橋上ヘッドコーチ)というミーティング通り、二回の第1打席は外角スライダーへ二ゴロに抑えた。

 内角直球で併殺打に打ち取った後の、六回無死一塁での第3打席。初球は内角147キロ直球で攻めた後、2球続けた外角スライダーで中飛。ブランコは内角に意識が残った分、バットの先端で打たされてしまった。

 好投手vs強打者。これも野球の醍醐(だいご)味だ。この日の田中は、決め球スライダーの制球に苦しんだ。それでもブランコにだけは、コントロールミスしなかった。サムライの心意気を見せつけた夜だった。