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視聴率男の本領発揮だ。3月、7月の防衛戦に続いて、内藤が驚異の数字をたたき出した。平均で25・6%、瞬間最高は30%の“大台”を超える32・8%。多くの外出者が予想されるクリスマス直前の祝日という悪条件の中、TBSの年間視聴率2位に食い込んだ。
「国民の期待」を背負った34歳は、国民をくぎ付けにした。序盤から挑戦者の山口真吾(渡嘉敷)との激しい打ち合いを演じ、11回TKO勝ち。瞬間最高は、KO勝ちの機運が高まった10回終了直後だった。
平均視聴率は、3月に前王者・ポンサクレック(タイ)を迎えたV2戦の26・3%が現時点のトップ。山口戦の25・6%が続き、7月の清水智信(金子)とのV3戦が3位につけている。今後、同社が大みそかに放送する格闘技イベント「Dynamite!!」が最大のライバルとなりそうだが、視聴率男を抜くのは厳しいとみられる。
TBSの磯崎裕啓プロデューサーは、好視聴率の要因について「試合内容が良かったことが大きい。当初は山口選手のランキングが低いこともあり、視聴者に対してのアピール度はどうかと思っていたが、いい打ち合いが展開されたことで視聴者を引きつけたと思います」と分析した。
次戦は来年3月、同級1位のポノムランクレック(タイ)との指名試合が決定的。内藤は「視聴率がいいのは、多くの人がテレビを見てくれているということ。ありがたい。来年もお客さんが喜ぶ試合をしたい」と意気込む一方で、亀田興毅戦に関しては「自分から追うようなことはしない」と言い切った。