感染症のスピロヘータ感染症のお話。
今回は、そのひとつ、レプトスピラ症の説明です。
★[レプトスピラ症(Weil病)]leplospirosis★
【概念】
《微生物の分類》
スピロヘータ目のレプトスピラ属Leptospira interrogansによる感染症をレプトスピラ症といいます。
血清型で23種に細分化されWeil病(黄疸出血性レプトスピラ症)ではserovar icterohaemorrhagiae、秋期型ではserovar autumnalis、hebdomadis、australisなど、イヌ型レプトスピラ症はserovar canicolaが原因菌となります。
長さ6~20μm、幅0.1μmの細長いらせん型の菌体で培養可能です。
●病態生理
レプトスピラを保有するネズミ、イヌ、ウシ、ブタなどによって汚染された水や食物を介して間接的に人にヒトに感染します。
したがって欧州では坑夫や下水道掃除夫、アジアでは稲作農夫が多く感染する、人獣共通感染症です。
急性の感染期と引き続いて起こる免疫異常期で症状が増悪します。
●疾患・疫学
多発地域はアジア、オーストラリアで、アフリカ、ラテンアメリカなどでは小流行がみられます。
下水道の発達で汚水に接触する機会が減り、激減はしています。
夏から秋に多いです。
黄疸出血性レプトスピラ症(Weil病)は、黄疸・出血・蛋白尿を主徴とする最も重篤なタイプで秋期型レプトスピラ症、イヌ型レプトスピラ症などそのほかのレプトスピラ症はWeil病類似の症状ですが軽症が多いです。
●臨床症状所見
[黄疸出血性レプトスピラ症(Weil病)]
《急性感染期》
潜伏期5~7日後に高熱で発症し、腓腹筋の把握痛、眼球結膜充血は特徴です。
BUNの上昇、蛋白尿などがみられます。
《発黄期》
一時改善しますが第2病週から黄疸が急速に進行し、皮膚・結膜などの出血傾向が著明と鳴ります。
腎不全やショックになる例や免疫反応による無菌性髄膜炎、虹彩毛様体炎、出血性肺炎を合併する例もあります。
《回復期》
上記の症状が徐々に回復します。
[その他のレプトスピラ症]
発熱、びまん性の筋肉痛、結膜充血、腎障害、出血傾向、無菌性髄膜炎を呈しますが、黄疸出血性レプトスピラ症に比べ軽症です。
●検査・診断
高度な炎症所見、総ビリルビンの上昇(血管障害が原因のためGOT、GPTの上昇軽度)、CPK上昇、BUN上昇、腎障害、蛋白尿を呈します。
血管障害で出血傾向になるため血小板、凝固因子は正常範囲が多いです。
診断は動物の尿汚染を受ける可能性があったか問診し、症状、検査所見から疑います。
血液・髄液・尿から菌の分離は困難です。
抗体価の上昇で診断が可能ですが、2週までは上昇になっておらず、PCR法で直接DNAの検出も可能になっています。
●治療・予後
ペニシリン・テトラサイクリン系の抗菌薬を病初期に用いれば予後は良好です。
重症型では電解質補正、腎不全対策、ショック対策が必要になります。
重症型の死亡率は5~40%です。
今回は、そのひとつ、レプトスピラ症の説明です。
★[レプトスピラ症(Weil病)]leplospirosis★
【概念】
《微生物の分類》
スピロヘータ目のレプトスピラ属Leptospira interrogansによる感染症をレプトスピラ症といいます。
血清型で23種に細分化されWeil病(黄疸出血性レプトスピラ症)ではserovar icterohaemorrhagiae、秋期型ではserovar autumnalis、hebdomadis、australisなど、イヌ型レプトスピラ症はserovar canicolaが原因菌となります。
長さ6~20μm、幅0.1μmの細長いらせん型の菌体で培養可能です。
●病態生理
レプトスピラを保有するネズミ、イヌ、ウシ、ブタなどによって汚染された水や食物を介して間接的に人にヒトに感染します。
したがって欧州では坑夫や下水道掃除夫、アジアでは稲作農夫が多く感染する、人獣共通感染症です。
急性の感染期と引き続いて起こる免疫異常期で症状が増悪します。
●疾患・疫学
多発地域はアジア、オーストラリアで、アフリカ、ラテンアメリカなどでは小流行がみられます。
下水道の発達で汚水に接触する機会が減り、激減はしています。
夏から秋に多いです。
黄疸出血性レプトスピラ症(Weil病)は、黄疸・出血・蛋白尿を主徴とする最も重篤なタイプで秋期型レプトスピラ症、イヌ型レプトスピラ症などそのほかのレプトスピラ症はWeil病類似の症状ですが軽症が多いです。
●臨床症状所見
[黄疸出血性レプトスピラ症(Weil病)]
《急性感染期》
潜伏期5~7日後に高熱で発症し、腓腹筋の把握痛、眼球結膜充血は特徴です。
BUNの上昇、蛋白尿などがみられます。
《発黄期》
一時改善しますが第2病週から黄疸が急速に進行し、皮膚・結膜などの出血傾向が著明と鳴ります。
腎不全やショックになる例や免疫反応による無菌性髄膜炎、虹彩毛様体炎、出血性肺炎を合併する例もあります。
《回復期》
上記の症状が徐々に回復します。
[その他のレプトスピラ症]
発熱、びまん性の筋肉痛、結膜充血、腎障害、出血傾向、無菌性髄膜炎を呈しますが、黄疸出血性レプトスピラ症に比べ軽症です。
●検査・診断
高度な炎症所見、総ビリルビンの上昇(血管障害が原因のためGOT、GPTの上昇軽度)、CPK上昇、BUN上昇、腎障害、蛋白尿を呈します。
血管障害で出血傾向になるため血小板、凝固因子は正常範囲が多いです。
診断は動物の尿汚染を受ける可能性があったか問診し、症状、検査所見から疑います。
血液・髄液・尿から菌の分離は困難です。
抗体価の上昇で診断が可能ですが、2週までは上昇になっておらず、PCR法で直接DNAの検出も可能になっています。
●治療・予後
ペニシリン・テトラサイクリン系の抗菌薬を病初期に用いれば予後は良好です。
重症型では電解質補正、腎不全対策、ショック対策が必要になります。
重症型の死亡率は5~40%です。