少しずつ
車いすで
お散歩をしたり
ベッドばかりではなく
病室でも
車いすに乗せて
過ごしていました
髪の毛も
伸びてきたので
車いすに座らせて
散髪したり
病気する前に
買った
犬のぬいぐるみを
持たせると
なでなでしたり
ルービックキューブを
持たせると
クルクル回したり
ペットボトルの中に
ストローを刻んだのを入れて
持たせると
カシャカシャ振ったり
迷路を見せると
指でなぞったり
私が
パーカーを被ると
ケラケラ笑ったり
(何で笑ってるかは不明)
出来なかった事が
少しずつ
出来るように
なってきたのです
でもね…
でもね…
私は
心から喜ぶことは
出来なかったのです
脳が
萎縮してしまって
ママの事も
パパの事も
楽しかった思い出も
息子は
記憶にないのです
私の
一番の願いは
息子と話したい
また前みたいに
「ママ~」
って呼んでほしい
一緒に
笑いたい
一緒に
折り紙したい
一緒に
マリオカートしたい
でも
私の願っている
息子は
目の前にいないのです
ごめんね