「ここで勝てば」というところで2引き分けでしたね。

 

もっとも運の悪い引き分けでは亡く、内容もイーブンだったと思います。

 

では、エスパルスの選手のレベルはイーブンなのでしょうか?

 

これまでのキャリアや周囲の評価を見る限りJ2ではトップレベルのはずです。

 

ということは、選手がチームとして本来の力を発揮できていないということでしょう。

 

最近は守備はキッチリやれていますが、得点が少ないので、本来のチームとしての攻撃力が発揮できていないと思います。

 

サッカーでは守備は論理的に説明しやすいですが、攻撃についてはおおまかな戦術はあったとしても最後のところはイメージの共有と個の力でしょう。

 

個の力は問題ないのですから、やはり理屈抜きでどれだけ豊かなイメージを共有できるかが得点のカギかと思います。

 

私が仕事をしていて戦わなければならない場面で考えると、自分の力を出し切るためには、「緊張感」と「楽しむこと」をバランスよく持つことが必要だと感じます。

 

このバランスが悪いと良い仕事ができないという経験をしています。

 

そのため、余りにリラックスし過ぎているときには、「この仕事で失敗したら大きなものを失うぞ」と自分を追い込みます。

 

逆に、緊張感が多い時には「まあ、失敗したって死ぬわけじゃないし」とリラックスの方向へメンタルを持って行きます。

 

人間というのは不思議なもので、緊張しなければいけない大仕事のときに変に人ごとみたいに感じたり、それほどでもない仕事でムキになったりとメンタルは計算通りにはいきません。

 

エスパルスのこれからの9試合は大一番で、本来は言われなくても全試合に緊張しそうですが、おそらく選手によってはそうはいかないでしょう。

 

私が見ていると、このバランスを上手くとっているように見えるのが権田選手と乾選手です。

 

全く性格が違う二人なので方法も全く違うのでしょうが、自分の性格とそれにあったメンタルの持って行き方を熟知しているようです。

 

一言で例えると、権田選手は「追い込み型」、乾選手は「楽しみ型」というところでしょうか。

 

権田選手は自分で自分を追い込んで、それに負けない状況にいることを楽しんでいるように見えます。そのため、厳しい場面になればなるほと判断ミスがないプレーに凄みを感じます。

 

乾選手はゲームが動いているときには、自然にサッカーというゲームを心から楽しむフェイズに入ってしまい(ゲームが止まったときも同じだとエスパルスとしては助かるのですが……)、もともと高い能力を全解放しているように見えます。

 

もちろん、他の選手も高いレベルでそれができるのでしょうが、現在は少し固くなってしまっている面もあろうかと思います。

 

攻撃に関わる全員が、同じレベルで厳しく、かつ楽しくイメージを共有してもらえれば、もともとの能力は高いのですから、複数得点はすぐにできるはずです。

 

付け足しですが、ミドルシュートによるゴールもポイントだと思っています。

 

エスパルスでも、他のチームで複数得点を取るケースでは、セットプレーかミドルシュートによるゴールが1点はあるように見えます。

 

セットプレーの練習は十分にしているでしょうから、キーパーの届かないコースに自然に飛ぶ癖がつくほどミドルシュートの練習をして欲しいです。

 

できれば、

「乾選手が出て活躍して勝ったけど『戦術乾』じゃなく、全選手が良かったよね」

という感想をファンみんなで言いたいものです。

 

次節山形戦は、先取点、そして複数得点を期待してアイスタに行きたいと思います。