【今後の通販について考える】
背景
近年、近い将来に来る少子高齢化のため、国内消費市場が縮小する
ことが懸念されている中で、今後の通販を国内、海外の両方を視野
に入れて考えていきたいと思います。
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第1回 海外市場の開拓に目を向けてみる
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今後、国内消費市場が縮小するため、各企業も広く海外市場に目を
向けるようになってきました。
特にアジア、中でも中国は、その市場の大きさから、無視できない
ものとなりつつあります。
ただ、海外市場は国内市場とは商習慣も、市場特性も大きく異なる
ので実際の店舗展開はハードルが高すぎると思われます。
そこで、考えられる有効な手段として、通販(越境EC)です。
地理的な制約を超えることが可能な販売チャネルであり、効果的に
活用することによって、投資を抑えて広い市場を自社の対象とする
ことが可能になります。
■越境EC市場規模
経済産業省の平成22年度の調査では、中国の消費者が日本サイト
から購入する市場規模は968億円、米国サイトから購入する市場規模
は1209億円と推計されており、日本の事業者から中国の消費者への
越境EC販売は、最も拡大すると仮定した場合、2020年時点で
約1兆2600億円の市場規模まで達するのではないかと試算されています。
■越境ECの実態
経済産業省の調査によると、中国・米国における利用者の海外サイト
からの商品購入に対する需要は今後も上昇が続くことが予想されており、
特に中国では越境EC利用率は約6割、今後の利用意向も8割にのぼる
と予想されています。
利用者は、中国では30代男女、米国では20~30代の男性や10代の女性の
利用が特に多いそうです。
主な購入商材は、服飾や書籍等の商材がよく購入されているほか、
中国では医療・化粧品や食料品、米国では音楽・映像・ゲーム等の
コンテンツや、電化製品の人気が高いそうです。
また、利用頻度から見ると中国では6割、米国では5割弱の越境EC
利用者は、月に1回以上、日本サイトからの購入をしているそうです。
安い価格や国内では入手不可能な商品のほか、特に中国では品質・
安全性も越境ECの利用理由として重視されているそうです。