異常乾燥、フェーン現象、住宅密集地区という悪条件が重なって生じた未曾有の大災害。
せめてもの不幸中の幸いは、死者重傷者がいないことだが、一日も早い生活再建の道が開かれんことだ。
だがまだ予断を許さぬ状況か。
こちらは新潟市だが。
陛下83歳祝い一般参賀 糸魚川大火、避難者気遣う 平成最多...
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今日は脚本家から見る和久井映見さん出演作 その2
2001年から「ちりとてちん」の直前、21世紀編の前半である。
2001年、初の夫婦役が岸谷五朗というのは意外だったが、それだけ気心を通じ合っていたのかも知れない。
老け役が似合う岸谷、「バースデープレゼント」の恋人役もシラノ・ド・ベルジュラック仕立てだからこそ成立したわけだし。
【出演作と脚本家】
2001年
ヒロイン 世界で一番熱い夏 脚本 都築浩 TBS
2002年
準主役 First Love 脚本 大石静(「功名が辻」和久井さんは帰蝶(濃姫)) TBS
主演 抱きしめたい 脚本 吉田紀子 NHK
2003年
武蔵 脚本 鎌田敏夫 (和久井さんは柳生宗矩の妻 りん)NHK大河ドラマ
和久井映見さんの出演シーン等は次の方の記述を参考にしている。
http://www.gem.hi-ho.ne.jp/sayopee/kiichi-fan/works/musashi_kiichi.html
ヒロイン 動物のお医者さん 脚本 古沢良太他 (菱沼聖子役) テレビ朝日
こちらは脚本というよりキャスティングの妙が名作となった秘訣だろう。
シリアスな作品が主体だった和久井さんを、コメディ的要素のある菱沼聖子役に起用したことは大正解だったというほどぴたりと役柄にはまっている。
外見だけで見ると漫画の菱沼さんは、少女マンガの定番といえる美人キャラ、この点では、設定年齢よりも少し上だが美人であり愛くるしさが十分ある和久井さんにはぴったり、あとは口調やゆっくりした言動、低体温・低血圧等で必ずしも利発とはいえない「もっさり」キャラはこれまでの和久井さんが演じた中ではなかったもの。
頼りなさそうに見える菱沼さんだが、ある日、教員が誰もいなくなったときに少年が連れてきた犬を引き受けたハムテルら学部生が勝手がわからず右往左往していたところ、最後の手段として連絡した菱沼さん(すでに獣医師免許は取得)が駆けつけて見事に治療するとエピソード(第4話)もあった。
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ヒロイン 恋文 脚本 岡田恵和 (田島江津子役) TBS
このブログでも詳しく解説した筆者もの好きな作品のひとつ。
こちらは岡田氏が最初に和久井映見さんをキャスティングした作品だが、悲劇のヒロイン役、どういう理由から和久井さんを江津子役にしたのだろうか?
2011年に出演した岡田氏のラジオ番組で、岡田氏はそれを話していたようだが聞いたことのある人にはブログ等で書き起こしていただくとありがたい。
確かに江津子の、設定として示されていなかった人柄までも和久井さんの、抑えた、でありながらも内に秘めた感情を表す演技が見事に表していたこともあって名作となった。
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2004年
主演 9.11NYテロ真実の物語 脚本 大石静 杉山晴美役 フジテレビ
実話ベースのスペシャルドラマでは、誇張のない等身大の抑えた演技が逆に、人物の深い悲しみや辛さ、そして前を向いて歩き出す芯の強さを、強烈に印象付ける。
和久井映見さんはまさに適役であった。
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ヒロイン 丹下左膳 百万両の壷 監督 津田豊滋 映画
ヒロイン 最後の忠臣蔵 脚本 ジェームス三木 篠役 NHK
2005年
和風美人である和久井さんの個性を生かすには時代劇を抜きにはできない。
ほんとは10代の頃から時代劇に出て欲しかったが、90年代には「赤頭巾快刀乱麻」「源義経」そして映画「虹の橋」の3作品だけであったが、その時代劇で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得しているのだから、やはり合っているのである。
この作品では、紀州弁に加えて嫁姑の笑顔の下に隠れた神経戦的なバトルという難しい演技にも取り組みそれを見事に昇華させた和久井さん。
姑役の田中好子さん亡き今は、まだそのときの田中さんの年齢にはまだ達していないが今度はお継役を、今回の加恵役と両方を演じるという史上初の快挙を成し遂げてほしい。
この作品と「9.11」の好演が光って、2005年度のギャラクシー賞年間個人賞に輝いている。
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ヒロイン 恋におちたら 脚本 佐藤 嗣麻子 (桐野七海役) フジテレビ
IT企業の経営幹部であり、かつて社長だった高柳(堤真一)を支える実質的な伴侶役。
どうやら当時話題になった堀江貴文とライブドア(元は別の人物が設立した企業)の関係をもとにしたドラマであるようだ。
フジテレビ連ドラとしては98年の「殴る女」以来の出演、実質的なヒロイン役だが、主要な役にキャスティングすれば和久井さんはこのように自分が輝くのみならずドラマ自体も面白くするんだということを立証した作品。
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主演 小さな運転士・最後の夢 脚本 寺田敏雄 西田裕美役 日本テレビ
阿部寛との共同主演、これも実話ベースの作品であり、抑えた演技によって現実感をもたらしつつも持ち前の美貌・愛くるしさや微妙な感情表現でよって悲劇のヒロインの悲しみや息子への思いが胸に迫る感動作だった。
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準主役 あいのうた 脚本 岡田恵和 (榎本房子役) 日本テレビ
これも和久井映見さんの代表作と言っていい名作、岡田氏の脚本も冴え渡っている。
ぱっと見にはコメディリリーフ的な役柄に見えつつも、主人公二人の状況や心情を最もよく理解し、その二人のために自分そっちのけで尽力する姿勢が印象的。
特に物語のクライマックスである6話で、自分が憎まれ役(他のメンバーは皆、あいちゃんを腫れ物にでも触るような扱い)になることも省みずに、あいちゃんを叱りその素直な気持ちを引き出すくだりはこのドラマを名作にした決定的名場面といえるだろう。
この作品がおそらく、和久井映見さんの「娘役」の最終作品のようである。
エキセントリックなキャラクターだけどやっぱり可愛い。
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2006年
主演 ヘレンときよしの物語 脚本 井上登紀子 (西川ヘレン役)日本テレビ
その見事な「若き西川ヘレン」ぶりに感激した西川きよしが、「はなまるマーケット」でのヘレン夫人のVTR出演のために自らスケジュール調整したという。
他局の番組のために、他番組の関係者がコメントするのは異例であろう。
それほどすばらしかった和久井映見さんの名演、ぜひともDVD化もしくは再放送を日本テレビ、吉本興業等関係者には切に望みたい。
http://www.ntv.co.jp/d-complex/contents/20060829_m.html
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主演 君が光をくれた 脚本 岡田恵和 関谷光代役
ヒロイン スティング松岡 危機一髪 脚本 内村宏幸(ウッチャンの従兄)フジテレビ
お笑い芸人がかなりの頻度でドラマ主演をやるようになったのは今世紀に入ってから
その草分け的存在は伊東四郎であり、いかりや長介氏だったんだろうし、藤田まこと氏もその範疇に入るのだろうが彼らはその後俳優専業に転じている。
そういえば「妹よ」で主役2人のキューピッド役だった小林すすむ氏も芸人出身での俳優転向組だ。
この作品はDVD化されているけど、10年前は和久井さん(トップ女優)の相手役を芸人が務めるなんて考えられなかったなあ、と
この作品では婚約者の段階だからこれが最後の娘役かも?
「妹よ」で高木雅史の父として松井ゆき子を「貧乏娘」と見下していた神山繁がヒロイン(和久井映見さん)の父役だが・・・
- スティング松岡危機一髪! [DVD]/田中要次
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白虎隊 脚本 内館牧子 照姫役 テレビ朝日
2007年
花嫁とパパ 脚本 いずみ吉紘 犬飼美奈子役 フジテレビ
つづく