セ・リーグ 広島3―1阪神 (4月16日 マツダ)


最後の右飛を捕った広瀬が手渡したウイニングボールを、満面の笑みで受け取った。プロ3試合目の登板で、ようやくつかんだ初勝利。試合後、本拠地のお立ち台に上がった大瀬良は開口一番「ぶち、最高です!」と声を張り上げた。

 「がむしやらに、石原さんのミットを目がけて投げました。取り柄は気持ちしかないので、気持ちを前面に出して投げました」

 まさに気持ちを込めた闘志の102球だった。前夜12安打8得点の阪神打線を相手に連打を許さず、7回5安打1失点。6回に失った1点は失策がらみで自責0。連敗は許されない“首位攻防戦”で、堂々の投球を披露した。

 バットでも魅せた。5回2死三塁から、石原が敬遠され一、三塁で回ってきた打席。「敬遠されてちょっと悔しい思いがあった。絶対に打ってやろうと…」。鋭いスイングで左翼線に弾き返し2点適時二塁打。プロ初安打で自ら貴重な追加点を奪い取った。

 「ドラフトでカープに決まった時、ファンがすごく喜んでくれたので、マツダスタジアムで初勝利ができてうれしいです。初勝利は家族はもちろん(スタンドを)赤く染めてくれた皆さんにささげたい」

 プロ初登板だった2日のヤクルト戦(マツダ)では7回5安打2失点。勝ち投手の権利を得たまま降板したが、9回にミコライオが1点リードを守れずプロ初勝利はお預けとなった。9日の巨人戦(東京D)では7回7安打3失点でプロ初黒星。そして3試合目。大瀬良は最高の笑顔でファンの大歓声に応えていた。


http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/04/16/kiji/K20140416007986630.html


実力に対する正当な結果として得た初勝利、これまで好投しながら報われなかっただけに感慨はひとしおだろう。


 オープン戦の戦いぶり、結果をフィードバックして修正する巧みさから頭脳派という見方もあったが、新人らしくがむしゃらにぶつかっていったことが好結果をもたらした。


 この謙虚さと自ら弱点や改善点に気づきそれを修正する柔軟さを活用してこれから勝ち星を伸ばしてもらいたい。