題名:Inland Sea Idyll (内海相聞歌)

作曲年:2021年

編成:弦楽アンサンブル

演奏時間:5分40秒

初演:2022年11月13日 ensemble nouveau (笠岡弦楽合奏団アニマート 第17回定期演奏会にて)

 

・ensemble nouveau(アンサンブル・ヌーボー)について

 この作品は岡山県で2021年に結成された弦楽アンサンブル《ensemble nouveau》から委嘱を受けて作曲しました。《ensemble nouveau》はヴァイオリニストの中野了氏を中心に結成された弦楽アンサンブルです。この団体のユニークな点は、「初心者参加型」の弦楽アンサンブルであり、既存の作品ではなく、この団体のために作られた作品を演奏・発表するという試みを行っていることです。《ensemble nouveau》の試みは、現代の芸術音楽の在り方を考えさせられるもので、今後の活動を非常に楽しみに思っています。《ensemble nouveau》の設立の経緯や取り組みについては以下のリンクよりご覧ください。

 

RNC news every.【令和視点】敷居の低いオーケストラ 2022/03/08放送 - YouTube

 

・作品について

 《Inland Sea Idyll (内海相聞歌)》は、故郷の岡山県南部の海岸から見た瀬戸内海の風景に着想を得た作品である。楽曲は穏やかな波の描写から始まり、断片的な旋律が波に乗って現れる。その旋律は、楽曲の進行と共に、様々な動機を派生的に生み出しながら発展していく。この作品の実体は、楽曲進行の中で生まれた全ての音楽的要素が統合されるクライマックスにて明らかになる。この作品は楽曲内部のあらゆる音が連関した有機的構造に基づく自然詩である。私はこの作品で、瀬戸内海を取り巻く環境を包括的に描き出すことを意図した。

 《Inland Sea Idyll》は現代の音楽理論に基づきながらも、ネオ・ロマンティックな音楽性と平易な技巧性によって、弦楽器の初等学習者が演奏に参加できるようになっている。この作品を通じて、少しでも多くの人が現代の芸術音楽に触れることが出来ればと願っている。


Inland Sea Idyll 内海相聞歌|Shinsuke Okamoto 岡本伸介 - YouTube