そうして8歳の私は、

たいていの日曜にお召かしをさせられ

高級店でお食事やお酒をいただくことが

当然となりました。


時に私が、好まない洋服を着るのを嫌がると

母はそのまま私を家に置いてゆき

その日は晩御飯抜き、ということもありました。


高級店へ連れて行っていくれる方は

一人と決まっていたわけではなく、

たいてい母の店のお客でしたが

その中には 母の彼氏がいました。


母の彼氏、と解ったのは、

平日の夜に時折、その人物が家にやって来て

母の帰りを待つようになったからです。


そしてその頃から私はその彼氏に

定期的に性的虐待を受けるようになります。


彼は母に鍵を渡されているので

独りでいる私が眠る頃、家に勝手に入って来て

リビングで少し落ち着くと、

私の部屋にそうっと入ってきます。


布団の中に手を入れ、私の体をまさぐり、

時にパジャマを脱がせました。

お酒の臭いをプンプンさせて。


私はしばらく怖くて何も言えませんでした。

何度か目に思いきって「やめて」と言うと

やめてくれるのですが、また後日

同じように触りにやって来る、

という日々が続きました。


私には、母も強く、恐かったので

ずっと何も訴えることができませんでした。


ですがある時、エスカレートする彼氏を許せず

我慢できなくなって勇気を出して

おそるおそる 母に伝えました。

「○○さんが、私の体を触るの、、」と。

すると、母の答えはこうでした。


「ばかねぇ、あんたのこと、

  娘だと思って可愛いがってるだけよぉ、

  あの人が愛してるのは、私なんだから」


私はここで、

「母に話しても無駄なんだ」

ということを悟りました。


このとき私は、10歳。


このあと少しして

母は この彼氏と別れ、次の彼氏ができ、

私は彼からは解放されました。


が、11歳になった私は、次の彼氏からも

性的虐待に悩むことになります。