エレナの合気道の道場の門下生(内、2人は元門下生)
今でこそ和気藹々とした雰囲気の仲の良い(?)4人ではあるが…。
かつての彼らは今の雰囲気からは考えられないくらい険悪で殺伐とした空気を漂わせていた。
そんな彼らの仲間としての絆を取り戻してくれたのが、この若く美しい師範代の「先生」である。
今日の彼らの姿があるのは全てこの「先生」の力と言っても過言ではない。
この道場の師範であるエレナの父はこの門下生たちの問題に向き合わなかったのだろうか?と。
今日はその中の一つのエピソードをお届けするとしよう。
ルカ「…"門下生の親睦を深める会"って…もはやどうでもいいんだけど…。ぶっちゃけ私いつ辞めてもいいって思ってるし」
※ルカ当時中3
ルカ「ってかこんな所で何するの?」
マオ「…さあな…。エレナがここを指定したから…」
ルカ「ここってエレナが指定したの?どーせだったらもっと違う場所にしろっつーのよ」
※マオ当時中3
マオ「…違う場所って、例えば?」
ルカ「…普通ならカラオケとかボーリングとかなんだろーけど…このメンバーとじゃビミョー過ぎるから…」
ルカ「無難にファミレスとかじゃない?」
タクト「ファミレス??…日高屋的な?」
ルカ「何で日高屋なのよ、サイゼとかガストとかもっと他にあるでしょ?」
※タクト当時中3
タクト「馬鹿言え!!サイゼやガストって言ったら特別な日に家族で飯食う所だろ!?」
ルカ「あんた何言ってんの!?特別な日に家族で行くファミレスって言ったらデニーズとかココスでしょ!?」
マオ(…ロイヤルホストとかフォルクスとかじゃないのか…)
マオ(…そもそも中学生同士でファミレスって概念がなかった…)
※フードコートかいけてファーストフード店だと思っていた。
タクト「?そーいや、エレナちゃんはどーしたんだ??」
ルカ「さあ?何か色々準備がどうの言ってたけど」
タクト「準備??」
ルカ「あーあ、とっとと帰りたい、何で道場が休みの日まであんた達と顔合わせなきゃなんないの」
タクト、マオ「…………」
タクト(…おっかねぇ〜〜…。本当に、いっつもピリピリしてんなぁ…ルカって…)
マオ(…姉貴に言われて…ウノとかトランプとか持ってきたけど…絶対使い道ないな…これは…)
マオ、ルカ、タクト「…………」
…沈黙が気まずい……
ガタン
タクト「あっ!エレナちゃん❤️」
エレナ「準備ができた!」
※エレナ中3
ルカ「随分と遅かったじゃない、何やってたの?あんた」
エレナ「お刺身切ったり薬味を用意したりしてたの!」
マオ「…刺身…?それは…師範が持って行けって言ったのか?」
エレナ「お父さんの知り合いの人に送ってもらったんだって」
タクト「へえー?何だろうなぁ??」
ルカ「わざわざ送ってくれるんだからここらへんじゃ手に入らないものよね!多分!」
タクト、マオ、ルカ「…………」
ルカ「…なに…?これ…」
マオ「……馬刺し…?」
タクト「…馬刺しって…こんな色してんのか?」
マオ「…さあ?」
ルカ「ちょっとエレナ、この刺身ってなに?何の魚なの?あんたは知ってるんでしょ?」
エレナ「聞いたけど忘れた」
ルカ「はあ!?」
エレナ「でもトロだか何だかって言ってたはず」
マオ「…トロ…?…これが…?」
タクト「…トロって…こんな色してんのか?」
マオ「してないだろ、普通…」
……これ…ヤバいやつなんじゃ……
ルカ(え…。絶対無理…。無理むりムリ!こんな得体の知れないものなんか食べられないわよ!!)
マオ(…パッとみた感じ…魚の刺身ってよりかはジビエか何かに見えるんだが…。でもジビエは生で食べることは禁止されてるはずだし…)
タクト「やべー…。やべーぞ、これ…。西武開拓時代に作ってそのまま現代まで残ってたビーフジャーキーみてーな色してんじゃねーか…!」
マオ「全部口に出てるぞ…。お前…」
ルカ、マオ、タクト(……自分の中の本能が警笛を鳴らしている…。これは食べたら危険なものだと…)
ルカ、マオ、タクト(いつもの自分なら絶対口にしない…。でもコレを用意したのは……)
ルカ(絶対食べたくないけど食べなかったことが師範にバレて追及されるのが怖い!!ほんっと大失敗だったわ!もっと早くトンズラしておくんだった!)
タクト「ここで1発漢気を見せておけばエレナちゃんともっと仲良くなれるかもしんねーからな。…やるか…。この俺の生命を賭けて…!!」
マオ「お前さっきから何を言ってるんだ?」
エレナ「さっきから皆何してるの?食べないの?」
マオ「…最後にもう一つ聞いていいか?」
エレナ「なによ」
マオ「…これはお前も食べるのか?」
エレナ「?当たり前でしょ」
マオ「…そうか…」(自分も口にするものならそれなりに気を使う筈だし…。師範も自分の娘に変な物は食わせないか…)
マオ、ルカ、タクト「……じゃあ…いただきます…」
カッ!!!!!!
マオ、タクト、ルカ「ーーーーー!!!」
最初口にした時は「あ?意外と美味いかな?」って思いました。…鯨の味に似ているっていうか…。ただ噛んでいくうちにーーーーー
もうですね。口の中が動物園なんですよ。ほら、動物園の中のペンギンとかのエリアを通った時に感じるあの魚臭い獣臭っていうんですか?「ペンギン可愛いけど、やっぱりちょっと魚臭いよね」みたいなあの臭いが口の中に充満してくるんですよ。
いくら薬味をたっぷりつけてたとしても、結局薬味って口の中で全部流れちゃうじゃないですか?意味ないんですよね。後から津波のように押し寄せる、この魚臭さと獣臭さが混じりあったこれまで経験したことのない凶悪な臭いーーー
ルカ(無理むりムリ!!は、吐きそう…!)
タクト(やべえ!唾飲み込むたび心がえずきたがってる!!)
マオ(せ、せめてうがいが…うがいができれば…!)
エレナ「お"う"えぇええええぇぇ」
ルカ「ギャアアアアアアアアアーッ!!」
タクト「ゔっヴェェェエエェエェ〜〜〜」
マオ「てめえ!!何てとこで吐きやーーーゔぇっ……!」
エレナ「マッッズ!!何コレ!!」
ルカ「ふざけんじゃないわよ!あんたが持ってきたんでしょ!?」
エレナ「あたしはお父さんに言われて持ってきたんだもん!」
ルカ「あんたコレ何て言われて持ってきたのよ!こんなのがトロなわけないでしょ!?」
エレナ「お父さんは確かに"トロ"って言ってたし、あたしはちゃんと言われた通りに血抜きをーー」
ルカ「血抜き!?あんたおかしいと思わなかったの!?そんな下準備しなきゃ食べられないトロなんて私達の知ってるトロじゃないわ!!」
ルカ「あんたと関わると碌なことにならない!前だってBE NAS像だか何だかに取り憑かれたあんたに酷い目に遭わされてーーー」
エレナ「あれはあたしのせいじゃないもん!」
ルカ「あんたのせいよーーーっ!!」
マオ ハア…ハア…(…気を抜くな…。一瞬でも気を抜いたら全部ぶちまけちまう…。耐えろ…トイレまで耐えろ!」
⬆️既に離脱してトイレに向かっていた。
数日後ーーー
タクト「💧💧💧💧💧」
タクト「…そ、そういえばさ〜〜…今日からだよな?臨時の師範代の人が来るのって…。いや〜どんな人なんだろうな〜〜。あはは〜〜」
ルカ「どうでもいい。変な謎肉、門下生に食べさせようとする非常識な輩じゃなければ」
エレナ「非常識な輩ってなに!?」
ルカ「あんたの殺し屋師範のことよ!!」
マオ「おい2人とも…ここは道場だぞ。いい加減気持ちを切り替えろ」
「……………」
先生(……聞いていた以上に…殺伐としてるな…。ここの生徒は……)
先生との初対面まであと10秒!!!
このストーリーをご覧になって「?何でこの子達はこんなに殺伐としてたの?」と、不思議に思われた方は是非エレナちゃんの過去編も覗いてみてくださいね⭐️
https://ameblo.jp/s-mt02100716/entry-12760122531.html
私は口にしたことはないのですが、正しく処理して調理したトドは馬刺しのような味わい(トドを生で食べることは推奨されていませんが)らしいです。
ここまでご覧頂きありがとうございました✨
























































